ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『アンストッパブル』

2010-12-14 23:13:46 | 新作映画
(原題:Unstoppable)



----トニー・スコット監督で列車が暴走。
しかも、主演がデンゼル・ワシントン
これって、最近ほかにもなかった?
『サブウェイ123 激突』のことだね。
ただ、個人的にはあの映画よりも
こちらの方が格段に楽しめたね。
物語は、これ以上ないほどシンプル。
大量の有毒化学物質と19万リットルのディーゼル燃料を搭載した
無人の貨物列車777号が加速しながら暴走。
そのルート上、接触するありとあらゆる障害物を粉砕し、
ヘリコプターから列車に乗り移ろうとする人間も軽々と吹っ飛ばしてしまう。
行く手には人口密集地帯。
果たして、この悪夢を止めることができるのはだれなのか?
ちゃんちゃん」



----ニャに。そのふざけた言い方。
どうせ、“アンストッパブル=止めることができない”なんて言いながら、
最後は、ちゃんと止めるんでしょ?
それもデンゼル・ワシントンが…。

「さあ、どうでしょう(笑)。
これまで、この手の暴走映画で駅を木っ端みじんにしたのは、
ジーン・ワイルダー『大陸横断超特急』くらいだものなあ。
でも、助かると分かっていてもこの映画は、
なかなか見ごたえがあったね。
そのワケは簡単。
トニー・スコットが変な色気を出さなかったから」

----変な色気?
「うん。
一言で言えば、
人間心理を深く掘り下げようとは、
端から思っていなかったってこと。
ポイントを、
列車と人間との戦いに絞っているんだ。
もちろん、たとえば列車指令室と上層部という、
現場と経営サイドとの意見の食い違いなんかも出てくるけど、
それもこれも全て、
サスペンスを盛り上げるための1ファクター。
間違っても、それによって
硬直化した指揮系統や
経営者のもうけ第一主義を非難告発しようというような
色気は出していない。
これは、そういった意味では
純粋培養化されたサスペンス・アクション。
ちょっと70年代チックではあるけどね」

----ニャるほど。
無駄がそぎ落とされているってわけだニャ。
「そういうこと。
トニー・スコットはこれからもこの路線を突き進んでほしいな」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「クリス・パインのこと喋ってないのニャ」
ちょっと怒るニャ



※でも、きっとだれか喋ってくれる度


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17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
00年代映画ベストテンが講談社のムック「映画のセオリー」に掲載されました (しん)
2010-12-17 22:22:25
えい様

ご無沙汰しておりましたが、面白い映画を沢山ご覧になっておいででしょうか
「自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ」の管理人しんです。
約一年前に当ブログで企画しました「ブロガーによる00年代映画ベストテン」にご協力いただきありがとうございました。

その「ブロガーによる00年代映画ベストテン」が、このたび講談社のセオリームックシリーズ「映画のセオリー」という本で取り上げられました。
大きな扱いではなく色々な映画ランキングに混じって私たちのランキングが紹介されているだけではありますが、それでもこうして世に出ることができましたのも、ご協力頂いた えい様をはじめとしたブロガーの皆さんのおかげと感謝しております。
件の本につきましては当ブログに紹介記事を書きましたので、そちらを参照してください。

年末年始という我ら映画ファンには個人ベスト選出であれやこれやと悩ましくも楽しい時期を迎えようとしております。えい様のベスト、楽しみにしています。またよろしくお願いします。
返信する
Unknown (風子)
2010-12-21 20:40:03
サブウェイ123が思ったほど稼げなかったので、の映画の資金集めも苦労したみたいですが、こっちはずっと楽しめる作品でしたね。
まあ、製作費もサブウェイを上回っているらしいですが。

夫にも勧めちゃいました。
返信する
■風子さん (えい)
2010-12-30 23:48:40
こんばんは。
『サブウェイ123』のような
人間の心理、またその駆け引きを描く映画は、
トニー・スコットには不向きな気がしまうs。
やはり彼は、アクション。
それも無機質なものがピッタリです。
返信する
今年の一本目です。 (たいむ)
2011-01-08 14:39:20
こんにちはー。今年もお邪魔します!

衝突していたベテラン機関士と新米車掌が危機を乗り越えるために団結し、最後にはすっかり仲間、しかもおかげで家庭不和解の消付きってテイストは昔懐かしありがちな展開だったけれど、そこでお涙ちょうだいとかが無かったのは、暴走列車のスピード感が削がれることがなくって私も良かったと思います。

テロリストの暴走も怖いけど、無人も怖いですねー(^^;
返信する
こんばんは。 (オリーブリー)
2011-01-08 17:46:10
私も「サブウェイ~」よりは、こちらの方が面白かったです!
このシンプルさが逆に良かったですよね。
新年の幕開け、順調な滑り出しでした(笑)
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こんばんは (ノラネコ)
2011-01-08 22:43:48
予想外に面白かったですねえ。
仰る様に余計な色気を出さずに、サスペンスに徹したのが良かったのでしょう。
98分という短めの上映時間も正月明けの眠気覚ましに見るにはちょうど良かったです。
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Unknown (cochi)
2011-01-09 08:53:16
あけましておめでとうございます
今年も宜しくおねがいします。
新年早々、すかっと爽快感を味わわせていただきました。
映像のストレイトな美しさに魅入り、完全に自分を失った感覚です。
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■たいむさん (えい)
2011-01-09 17:28:11
こんにちは。
無駄をそぎ落とした剛速球の映画でしたね。
脇のエピソードも
“暴走列車”という主たる物語を膨らませるためにのみ作用する。
これぞ正真正銘のエンターテイメント・ムービー!
返信する
■オリーブリーさん (えい)
2011-01-09 17:29:38
こんにちは。
そう。このシンプルさが功を奏していた。
グダグダ言わず、その一点で勝負するアクションというものを
久しぶりに堪能した気がします。
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■ノラネコさん (えい)
2011-01-09 17:31:01
こんにちは。
昔は、こういう100分以内の映画が多かったですよね。
短いからってだれも「金返せ」とは言わない。
充実した時間が味わえた映画でした。
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