ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『エリックを探して』(ケン・ローチ監督作品)

2010-12-20 00:04:13 | 新作映画
(原題:Looking for Eric)


----今夜はイギリスのケン・ローチ監督の映画だね。
「うん。観たときから気になっていたことが
最近の市川海老蔵事件で
またまた強くなって…」

----えっ。どういうこと?
ケン・ローチって、どっちかというと
いつもワーキング・クラスを描いているイメージ。
その、なんとか海老…って
エグゼクティブな人ニャんでしょ?
「うん。歌舞伎界の大物。
自らを人間国宝と言ったとか言わないとか…。
じゃあ、その理由を説明する前に、
この映画の簡単なプロットを説明。
マンチェスターの郵便配達員エリック・ビショップは、×2。
30年も前に別れた最初の妻リリーへの愛を今なお胸に抱いている。
一方、彼には手が焼ける
2度目の妻が置いていった連れ子の少年ふたりがいて、日々の暮らしは大変。
ある夜、思わず自室の壁に貼ったポスターのエリック・カントナに愚痴をこぼすと、
暗がりから声がして、カントナ本人が現れた! 
この往年のスター選手は、以来、たびたびエリックの前に現れ、
ごくシンプルな言葉でアドバイス。
かくしてエリックは勇気を奮い立たせ、
郵便局の仲間たちの応援も得て、
問題から逃げずに立ち向かっていく…」

----だれ?そのカントナって…。
「だからさっきも言ったように
(と言いつつぼくも知らなかったけど)、
90年代前半、マンチェスター・ユナイテッドの復活に大貢献し、
今なお絶大な人気を誇るサッカー界のスーパースター。
彼自ら、ケン・ローチにこの映画の企画を持ち込んだらしい。
さて、映画は、このカントナの言葉に励まされて、
エリックが仲間たちと、
あるとんでもない行動に出るまでを描いていく。
実は、彼の息子のひとり
ライアンが、ギャングのザックから預かった拳銃を、
家の中に隠し持っていることから、
きわめて厄介なことになっていたということが発覚する。
さて、そこでエリックがとった決断とは?
と、実はここが問題。
その決断というか、ある“行動”はとても漫画チック。
ぼくがこの映画を観たときにまず思ったのは、
『こんなことで、イギリスの裏社会のボスは自分の負けを認めるの?』ってこと。
だって、さっきの海老蔵の例を見ても分かるように、
彼ら裏社会の人たちは
自分のメンツをとても大切にする。
日本だったら、こんなことで裏社会が妥協するなんて、まずありえない
実際、ぼく以外にもそう思った人はいるようで、
試写の後、『これでいいの?』と言っていた。
それに対するは宣伝サイドの答、
『ファンタジーですから…』だったかな。
そう、この映画の特徴は、
これまでのケン・ローチの映画と違ってファンタジー」


----確かに。そのニャんとかカントナが出てくるわけだし…。
「そういうこと。
この映画、『ボギー!俺も男だ』とアイデアは似ているけど、
ある意味、もっとファンタジー。
だって、ボギーとは違ってカントナはまだ生きているわけだからね。
カントナの最後の出演シーンも含めて、
これはファンタジーはファンタジーでも茶目っ気たっぷりの作品。
ケン・ローチの生真面目さが苦手という人にこそ、
観てほしい映画だね」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でもカントナっていう人、よく知らないのニャ」
ちょっと怒るニャ
※カントナのエピソードやゴール・シーンもいっぱいだ度


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (風子)
2010-12-21 20:36:04
レン・ローチ監督が、こういう作品を撮るとは意外でした。
楽しいファンタジーでした。
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こんにちは! (latifa)
2010-12-28 15:12:55
えいさん、こんにちは!
>『こんなことで、イギリスの裏社会のボスは自分の負けを認めるの?』ってこと~~~ 日本だったら、こんなことで裏社会が妥協するなんて、まずありえない

私もそこが気になっちゃったんです・・・。
ホントにあれで解決できるんか?って、楽しく見たものの、手放しで喜んで安心はできなかったかな・・。
返信する
■風子さん (えい)
2010-12-30 23:39:50
ほんと、ぼくも意外でした。
でも、こういうファンタジー、嫌いではないです。
返信する
■latifaさん (えい)
2010-12-30 23:41:05
こんばんは。

ファンタジーならではの結末でしょうね。
こういう悪玉なら、まだかわいげがある?
返信する
裏社会は・・ (Cartouche)
2011-01-08 23:02:31
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
ほんと裏社会はこんなもんじゃないですよね。
でもまあそうそうファンタジーという感じで楽しめました。
返信する
■Csartocheさん (えい)
2011-01-09 17:38:16
あけましておめでとうございます。

この映画、
ぼくは好きな方なのですが、
裏社会の描き方のユルさが引っ掛かったところでした。
ファンタジーと割り切れば
それはそれで楽しめるのですが、
世の中、いろんな問題が起こっているだけに…。

こちらこそ今年もよろしくお願いします。
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