ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『スーパー・チューズデー 正義を売った日』

2012-02-28 23:15:23 | 新作映画
(英題:The Ides of March)



----これって、ジョージ・クルーニーの監督作だよね。
アメリカ大統領選挙の裏側を描いた映画ニャんでしょ?
「そう。
ところが、そのジョージ・クルーニー、
こんなことを言っている。
『ジャンルで言えば政治サスペンスだが、
政治そのものがテーマではない』」

----どういうこと?
「つまり政治映画ではないということ。
ライアン・ゴズリング演じる主人公、
スティーヴン・マイヤーズは、
民主党予選に出馬したマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)知事の陣営の若き広報官。
キャンペーン・マネージャーのポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と二人三脚で
ライバル陣営のプルマン上院議員相手に戦っている。
討論会場のモニター音量や演壇の高さにまで気を配り、
ブログや動画サイトの投稿にまで目を光らせる。
そんなある日、彼にプルマン陣営の選挙参謀トム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)が極秘の面会を求める」

----ありゃりゃ、それは罠だ!
「だよね。
誰でもそれは気づくはず。
もちろん、スティーヴンも多少なりとも気づいていたはず。
でも、そこに何かを期待して彼は出かける。
あにはからんや、
トムはスティーヴンに
『我々の仲間にならないか』と
自陣営への引き抜きを持ちかける。
さあ、それからが問題だ。
この後、彼が取るべきもっとも適切な対応とは?
これが、この映画の主眼点。
忠誠心と野心。
どっちを選ぶにしても、
細心の注意を払い、
ミステイクを犯すな…とでも言っているかのよう」

----ニャるほど、だからテーマが“政治”ではないんだ。
「そういうこと。
これは、政治に限らず
広く社会の中、どんな局面でもありうる話。
最初の一歩を間違えると、
自分は見捨てられて、
もう、取り返しがつかなくなる。
そのときの焦燥感が、
ライアン・ゴズリングの役作りの見事さも相まって、
ひしひしと伝わってくる」

----じゃあ、起死回生は起こらないんだ。
「さあ、どうでよう?
実はここに
インターンの若く美しい女性モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)が
関わってくることにより、
事態は思わぬ方向へ転がっていく。
まるでチェスの目のように
彼女の存在が裏から表、表から裏へと変わっていくんだ。
もともとは、このお話、戯曲だったとはいえ、
映画としても楽しめる。
監督のジョージ・クルーニーは、
戯曲には登場しないモリス知事を主要登場人物に設定したとか。
この映画を観た後、
それを知ったら驚くこと間違いなし。
オリジナルはどうだったのだろう?
と思うほどの大胆な改変だよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ジェフリー・ライトにマリサ・トメイも!脇役がほんと豪華なのニャ」身を乗り出す
※しかし、美形はやはりいろいろと、トクだ度

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4 コメント

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こんばんわ (にゃむばなな)
2012-04-04 20:10:47
野心が尊重されるようなアメリカで大統領選挙だけは忠誠心が問われるというのがちょっと意外というか、新鮮でした。
日本では当たり前のことなんですけど、アメリカ人が忠誠心というと、何か凄く特別な世界を描いているようにも思えましたよ。
返信する
■にゃむばななさん (えい)
2012-04-07 21:48:19
そう、それは感じました。
なんとも居心地の悪い映画。

アメリカでありながら、
まるで日本の会社みたいに
まずは忠誠ありき。
自分なんて、すぐ振るい落とされちゃう。(汗)
返信する
戯曲とは (樹衣子)
2012-04-29 16:51:45
えいさまへ

>監督のジョージ・クルーニーは、
戯曲には登場しないモリス知事を主要登場人物に設定したとか

えっっ!そうだったのですか。
えいさまのブログで初めて知った私は、とても驚いています。あのクルーニー演じる大統領候補だから、最後の結末がいきてくると思いましたし。
フィリップ・シーモア・ホフマンもいい味を出していました。
返信する
■樹衣子さん (えい)
2012-05-02 20:31:14
こんばんは。

この事実にはぼくも驚きました。
映画として<脚色>するというのは、
本来、こういうことなのか…と。
ジョージ・クルーニー、
やってくれますよね。
返信する

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