(原題:Valley of the Wolves : Iraq)
「いままでいろんなキャッチコピーが映画を売るために考案されたけど、
この映画のそれはちょっとスゴいね(笑)」
----ニャんだっけ?
「『アメリカ敗北』。
『東京スポーツ』なら最後に『か?』を付けるところだけど、
これは断言しているから、またスゴい」
----どの戦争で敗北したの?
「そこなんだよね。問題は。
アメリカが敗北した戦争と言うと、
一般にはベトナム戦争がイメージされるけど、
これはいまだ進行中のイラク情勢が背景。
この映画は、2003年7月、イラク北部の戦場で起こった
アメリカ兵によるトルコ兵拘束事件で幕を開ける。
同盟国であるはずのアメリカ兵に突然司令部を襲撃され、
屈辱的な姿で連行されたトルコ将校は、
一通の手紙を友に送り、自殺。
復讐を託されたトルコ諜報員ポラット(ネジャーティ・シャシュマズ)は
数人の仲間とともに
指揮官サム・マーシャル(ビリー・ゼイン)率いるアメリカ兵と戦うと言うお話だ」
----ニャるほど。これは反米映画ってワケだ。
「しかも映画には、
マスコミで報じられた
実際の事件を彷彿させるおぞましいできごとが次々と出てくる」
----たとえば?
「結婚式虐殺事件、アブグレイブ刑務所事件、
コンテナ輸送虐殺事件、臓器売買疑惑、
これら米軍の蛮行に加えて、
イスラム過激組織によるジャーナリスト殺害事件や
子供を殺された父親の自爆テロもある。
映画は、この結婚式で新婚の夫を殺された
新妻レイラの助けを借りてボラットたちが戦うさまが描かれる。
でも映画と言うより長編のテレビドラマみたいな感じ。
映像がベタッとしていて、あまり深みがないんだね。
なんて思って観ていたら、
この主人公の諜報員ポラットと言うのは、
もともとテレビシリーズのキャラクターらしい。
もっともそこでは敵がマフィアだったらしいけど…」
----ふうん。でもアメリカの有名俳優も出ているんだよね?
「さっきのビリー・ゼインに加え、
ゲイリー・ビジーが臓器売買を手がけるドクターに。
ふたりとも、まあ憎々しいことこの上ない。
ビリー・ゼインはいつも白い服。
これが少し『真昼の用心棒』のニーノ・カステルヌオーボを思わせたね」
----ニャに、それ?
「ルチオ・フルチのマカロニウエスタン。
ニーノ・カステルヌオーボが演じているのは、町を牛耳る悪役。
なんだか、それにそっくりなんだ。
ビリー・ゼイン演じるサム・マーシャルは司令官でありながら、
私利私欲が全面に出ている。
で、個人的にはクラシックを愛好し、
白いピアノをプレゼントされたりする。
あっ、これってマカロニのパロディ
『ガンクレイジー・episode1復讐の荒野』で
鶴見辰吾が同じようなことやってたな。
やはり白い服で……。
そう言う映画の記憶があるからかな。
この映画、政治性は確かにあるものの、
基本はアクションと言う風に感じられて仕方がなかったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「『狼の谷』って、どこにあるニャ」
※ちょっと長すぎる度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はトルコ・オフィシャル壁紙より。
「いままでいろんなキャッチコピーが映画を売るために考案されたけど、
この映画のそれはちょっとスゴいね(笑)」
----ニャんだっけ?
「『アメリカ敗北』。
『東京スポーツ』なら最後に『か?』を付けるところだけど、
これは断言しているから、またスゴい」
----どの戦争で敗北したの?
「そこなんだよね。問題は。
アメリカが敗北した戦争と言うと、
一般にはベトナム戦争がイメージされるけど、
これはいまだ進行中のイラク情勢が背景。
この映画は、2003年7月、イラク北部の戦場で起こった
アメリカ兵によるトルコ兵拘束事件で幕を開ける。
同盟国であるはずのアメリカ兵に突然司令部を襲撃され、
屈辱的な姿で連行されたトルコ将校は、
一通の手紙を友に送り、自殺。
復讐を託されたトルコ諜報員ポラット(ネジャーティ・シャシュマズ)は
数人の仲間とともに
指揮官サム・マーシャル(ビリー・ゼイン)率いるアメリカ兵と戦うと言うお話だ」
----ニャるほど。これは反米映画ってワケだ。
「しかも映画には、
マスコミで報じられた
実際の事件を彷彿させるおぞましいできごとが次々と出てくる」
----たとえば?
「結婚式虐殺事件、アブグレイブ刑務所事件、
コンテナ輸送虐殺事件、臓器売買疑惑、
これら米軍の蛮行に加えて、
イスラム過激組織によるジャーナリスト殺害事件や
子供を殺された父親の自爆テロもある。
映画は、この結婚式で新婚の夫を殺された
新妻レイラの助けを借りてボラットたちが戦うさまが描かれる。
でも映画と言うより長編のテレビドラマみたいな感じ。
映像がベタッとしていて、あまり深みがないんだね。
なんて思って観ていたら、
この主人公の諜報員ポラットと言うのは、
もともとテレビシリーズのキャラクターらしい。
もっともそこでは敵がマフィアだったらしいけど…」
----ふうん。でもアメリカの有名俳優も出ているんだよね?
「さっきのビリー・ゼインに加え、
ゲイリー・ビジーが臓器売買を手がけるドクターに。
ふたりとも、まあ憎々しいことこの上ない。
ビリー・ゼインはいつも白い服。
これが少し『真昼の用心棒』のニーノ・カステルヌオーボを思わせたね」
----ニャに、それ?
「ルチオ・フルチのマカロニウエスタン。
ニーノ・カステルヌオーボが演じているのは、町を牛耳る悪役。
なんだか、それにそっくりなんだ。
ビリー・ゼイン演じるサム・マーシャルは司令官でありながら、
私利私欲が全面に出ている。
で、個人的にはクラシックを愛好し、
白いピアノをプレゼントされたりする。
あっ、これってマカロニのパロディ
『ガンクレイジー・episode1復讐の荒野』で
鶴見辰吾が同じようなことやってたな。
やはり白い服で……。
そう言う映画の記憶があるからかな。
この映画、政治性は確かにあるものの、
基本はアクションと言う風に感じられて仕方がなかったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「『狼の谷』って、どこにあるニャ」
※ちょっと長すぎる度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はトルコ・オフィシャル壁紙より。
まさか、私がえいさんよりも先に観るなんて。
私も、ちょっと長いと感じました。実を言うと、中盤に失神してしまったんですよね。
鑑賞前は、手にしたチラシから、もの凄い社会派の色合いなんだとイメージしてました。背景はそうかもしれないけれど、全体的にアクション・ムービーって感じでしたよね。私も全く同意見です。
記事にも書いたんですけど、できることなら「やられたらやり返す」という精神は見たくありませんでした。『グアンタナモ、僕達が見た真実』で、パキスタン系イギリス人の若者がアルカイダ扱いされて散々な目に遭っていましたけど。それでも憎悪のセリフではなく「僕は強くなった」という言葉を漏らすシーンがあって。そんな彼らこそ、誇り高き精神なんじゃないかと感銘を受けたりしたものです。
こんばんは。
そうそう。この主人公はボラットならぬポラット(笑)。
アクション、しかもオールドタイプでしたね。
諜報員が主人公ですから、
好戦的な内容になるのは仕方ないでしょうが、
その素材が現在進行形の社会性を帯びたものだと
冷戦時代のスパイ映画とは違って
すっきりしませんよね。
ビリー・ゼインの白服、白ピアノってジョン・レノンの「イマジン」の真似?って思っちゃいましたw。鶴見辰吾も確かに白服多いキャラ。ビリー・ゼインとともに好きになれないキャラが多い人ですよね。
トルコ視点のこの映画。ある意味貴重な一本でしょう。
白いピアノ=ジョン・レノン。
なるほど……。
そう言えば、昔チェリッシュと言うデュオの歌に
『白いピアノに替えたのは~♪』という
歌があったのを思い出しました。