ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『日本で一番悪い奴ら』(一部『ヒメアノ~ル』)

2016-06-10 18:59:02 | 新作映画

『日本で一番悪い奴ら』。これまた最高!
ある意味『64-ロクヨン-』とは対照的、東映ならではの作品。
綾野剛という稀代の俳優に、オールスターではなく、
スクリーンだからこそ輝きを放つ異形の役者をぶつける。
製作陣が目指したという『ウルフ・オブ・ストリート』も納得の、これは悪漢コメディ。

(5月13日のTweetより)

----続くニャ。
最近の日本映画ってバイオレンスばっかり。
「確かに。
でもどの作品も、
それぞれの監督の個性を出しながら
映画にぶつかっていくから
“あれもいいけど、これはこれでオモシロい”、
そんな感じになるんだ」

---そういえば『ヒメアノ~ル』について
話してなかったよね。
確か、あの映画も「『ディストラクション・ベイビーズ』とは対極だ」とか言ってなかった?
「うん。
参考までに、『ヒメアノ~ル』を見た直後のtweetを。

『ヒメアノール』。
日本映画界はなぜ今までこんな逸材を放っておいたんだ?
森田剛。バイオレンスものに出た時のビートたけしと肩を並べる異常犯罪者ぶり。
一方、こちらは安定の(?)危うさ、佐津川愛美。声かけをためらわせる愛らしさが、
一皮剥けば経験豊富、生っぽい普通の子に。これはたまらない。

(4月26日のTweetより)

一言で言えば、その“動機”も含めて主人公の“内面”に切り込むことなく、
彼が引き起こす“理由なき暴力”をスクリーンに映し出し、
それによって観客を挑発しているのが『ディストラクション・ベイビーズ』。

対して、『ヒメアノ~ル』は、
主人公の心の闇と正対する。
その闇が生まれた背景、
それを個人の資質のみでなく背景の社会が抱える問題にまで広げてゆく。

そういう意味では、こちらはオーソドックスなつくり。
もちろん、巷間でよく言われているように、
前半の青春ラブコメ的ルックが、
後半には心も凍りつくようなホラーへと旋回するという
その構成は、真ん中にタイトルを出すギミックも含めて
ユニークではあるけどね。
でもたとえば、あの韓国映画の名作『息もできない』を引き合いに出すんだったら、
心に重くのしかかるエンディングも含めて
『ディストラクション・ベイビーズ』よりも
それはむしろ『ヒメアノ~ル』の方だと思う」

----あらあら、
いつの間にか『ヒメアノ~ル』の話になっている。
今日の本題は『日本で一番悪い奴ら』でしょ?
「ごめんごめん。
まあ、これはTwitterで呟いたことに凝縮されるんだけどね。
『64-ロクヨン-』は東宝でなくてはできない
潤沢な製作費によるオールスタームービー。
しかし東映にそれを望むのは難しい(ごめんなさい)。
でも、それならそれで他のつくり方があるのではないか?
そこから生まれたのがこの映画(なんて勝手に決めつけています)。
カメレオン俳優・綾野剛を軸に置き、
その周囲を、ユニークな個性を発揮する俳優たちで固める。
そこから生まれるケミカル。
それこそがこの映画最大の魅力。
彼ら脇役の風貌は東宝の格調高い世界とは相いれない。
ヤクザ映画やVシネの伝統を持つ東映だからこそ作り出すことのできた世界。
言葉も汚くやることなすこと欲望にまみれ下品。
しかし、それはあるエネルギーの塊となって映画を熱くさせる
もちろんそこには
上から下まで「富める者こそが善」という
金満日本への痛烈な風刺と批判もある。
でも、ぼくはそれ以前に、
彼らが金の匂いを求めて
蠢き回るその姿がとてつもなく面白かったね」

----ニャるほど。
テーマ主義ではない
えいの好みそうな観方だニャ。

綾野剛のベストの声も高いのニャ」身を乗り出す

白石和彌監督、ぼくは前作『凶悪』よりこっちを買う度

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