ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『喰女 クイメ』

2014-07-16 23:10:55 | 新作映画

ちょっと辛口?
三池崇史ファンの人は怒っちゃうかも…」


----「クイメ」?
タイトルからして、やな感じだよね。
確か、あの「四谷怪談」をモチーフにしてるんでしょ?
「うん。
監督が三池崇史だし、
もう、これは目を開けていられないんじゃないかと…」

----あれれっ。
その話し方だと、そうでもなかったような…。
「そうだね。
正直言って、思ったほど怖くはなかったかな。
四谷怪談』といえば、
子どもの頃、中川信夫監督の『東海道四谷怪談』を観て、
戸板返しのシーンに
ぶるぶる震えたことを覚えている。
今回改めて思ったのは、
原作者・四世鶴屋南北の天才ぶり。
彼が編み出した物語の有無を言わせぬ恐怖。
後世の人たちは、そこにどうにかして
そこにプラスアルファの恐怖を…と、そう思ったのじゃないかな?」

----その代表例が
深作欣二監督『忠臣蔵外伝四谷怪談』
「あっ、あれはかなり怖かったね。
特に、荻野目恵子扮するお梅の狂女ぶりが…。
彼女が登場するだけで、
すでにこの世のこととは思えない感じだった。
実はぼくは三池崇史の恐怖演出というのは高く買っていて、
『オーディション』だの『インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~』だのは、
まともに目を開けていられなかった」

----『インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~』って、
アメリカのケーブルテレビシリーズとして作られたのに、
あまりにも残虐で放送されなかったってヤツだよね。
「うん。
三池崇史監督のことだから
この『喰女 クイメ』も、それに近いことはできたはず。
でも、一般での劇場公開を考えてか、
意外とおとなしいんだよね。
なにせ『インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~』
ほとんどの映画館で上映拒否にあっているから…。
ただ、それでもどこか一点突き抜けようと思ったんじゃないかな。
この映画の構成は
舞台『真四谷怪談』と、それを演じる役者たちのドラマ…の二段構えの構成になっている。
オモシロいのは、その舞台の方。
アップや細かいカッティング、
さらには激しい効果音といった映画ならではの手法をすべて封印して、
まるですべてがすでに死者であるかのような無表情な演者たちによる
伊右衛門とお岩、さらには宅悦の我欲と怨念が交差する
また、その舞台美術が素晴らしく、
沼に怪しく光るアオミドロのような不気味な静けさ。
ところが、これと現実世界をオーバーラップしようとするものだから、
せっかくの恐怖がするり抜けていく。
現実世界の方は、
これまでジャパニーズホラーが幾多の映画で積み重ねてきた手法の延長線上。
極端なメイク、わっと驚かせる効果音、そしてどアップ。
そういうことを、
やわざわざしなければ恐怖が出せないというのは、なんだかなあ」

----つまり、その現実の部分が
かえって原作世界の素晴らしさを引き立てていたと…。
「そんな気がしたね。
市川海老蔵、柴咲コウ、伊藤英明、中西美帆
キャスティングもよかっただけに、
この工夫は世系だったような…
少しもったいない気がしたな」




フォーンの一言「フォーンは、これ以上怖いお話を知らないのニャ」身を乗り出す

※灯りさえまともにない時代だけに、その怖さはひとしおだった度
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