----うわあ、ほんと久しぶりだニャ。
もう、止めちゃったのかと…。
「まったくそう思われても仕方ないくらい、
こっちはご無沙汰だったよね」
----えっ、こっちって?
まさかツイッターを<あっち>と言っているワケじゃ…。
「いや、
ほんとそうなんだ。
あれやこれやと、なんだか妙に忙しくて、
特にここしばらくは父の葬儀のための帰省という
プライベートなこともあって、
ツイッターで呟くのが、もう精いっぱい」
----ニャるほど。
いまやっと時間ができたってワケだ。
で、その最初の作品は?
「おいおい、父の話は素通りかよ…。
あ、そうかフォーンも…。
ヤバいヤバい。
さて、その映画は『るろうに剣心 京都大火編』。
他にも『マザー』だの『喰女 クイメ』だの
『海を感じる時』だの、
いくつもあったんだけど、
まずはこれかな」
----日本映画ばっかり。
ん?『るろうに剣心』って
一作目は、それほど推していなかったような?
「うん。
あれは、ワーナー・ブラザース映画が
このところよく作る時代劇、その一本くらいにしか見えなかったんだ。
力作とは思ったけど、
そんなに印象には残っていなく手…」
----ところがこれは違うと…。
「そういうこと。
もう、オープニングから息を飲む映像が現れる。
今回の物語は、
原作中のクライマックスに当たる『京都編』、その前編。
さて、その前にフォーンは
緋村剣心(佐藤健)がどういう男かは知っているよね」
----うん。前作を観ているからね。
彼は、幕末に“人斬り抜刀斎”として恐れられた男。
新時代の訪れとともに
二度と人を斬らないと誓い
斬れない刀“逆刃刀”に持ちかえるんだよね。
「ご名刀、じゃなかったご名答。
ところが、剣心の後継者として
“影の人斬り役”を務めた
志々雄真実が日本征服を狙って暗躍」
----シシオ?
「うん。
彼は新政府に裏切られ
焼き殺されようとしたところを奇跡的に助かる。
しかし、全身が包帯だらけで
わずかに目と鼻と口が覗くだけ。
で、この役を、あの藤原竜也が演じているんだ。
役者のウリ、その一つでもある顔を隠し、
それでもなお凄まじいオーラを発する。
この映画、他にも超強烈な個性を持った<悪>が
何人も登場するけど、
やはりその白眉は彼、志々雄真実だね。
その最初の登場シーンがまた素晴らしい。
燃え盛る炎の中、
天井には彼を追って返り討ちにあった警官たちが
幾人も吊るされている。
このシーンを見たとき、僕はある感慨に襲われた。
日本映画のスケール、美術もここまで来たかと…。
はっきり言ってこれは
ハリウッド映画が描く地獄よりも
遥かにイマジネーションに富んでいる」
----それが、さっき言っていたオープニングだニャ。
「そう。
ここに代表されるように
プロダクション・デザイン、
いわゆる美術は申し分なし。
そしてその中に、
かつて人を殺めたことを悔い、
決して刀を抜こうとはしない剣心と、
それぞれの理由で彼を狙う
さまざまな<悪>が登場する。
ヒーローものの最低必要条件は、
悪役に魅力があること。
ところがここでは
不意藁竜也は言うまでもなく、
伊勢谷友介、神木隆之介、滝藤賢一、三浦涼介らが、
それぞれに異なる狂気と殺意を見せてくれる。
ぼくはこうツイッターで呟いた。
『なんと贅沢な映画だろう』と…」
----ニャるほど、そういうことか。
「それともう一つ。
ぼくはもとより
アクションのためのアクションは好きではない。
アクションがオモシロくなるのは
その中にエモーションがあればこそ。
不殺を誓い、流浪人として全国を旅する剣心。
その彼が大切なものを守るべく、
ついに誓いを破るのかどうか…」
----そのギリギリの苦悩が
観る者に伝播するってことだニャ。
「おろ。
難しい言葉知っているでござるよ」」
----ふざけた言葉喋らないでほしいニャ。
「おっ、
それって劇中で
志々雄真実が剣心に向けて放つ言葉。
これ、藤原竜也のアドリブのような気がするんだけど…」
----う~む。意外と原作にあるかもよ。
緊張を和らげるために…ニャ。
、
フォーンの一言「ラストは触れてはならないらしいのニャ」
※三部作は、真ん中がいつも盛り上がる度
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