ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『だれもがクジラを愛してる。』

2012-06-11 22:49:35 | 新作映画


(原題:Big Miracle)

----変わったタイトルの映画だよね。
ちょっと、想像がつきにくい…。
「うん。
舞台もアラスカだし、
これはまじめな環境映画かなと、
ぼくも少し腰が引けていたんだけど、
改めてキャスト表を見て
いやいや、観る価値十分ありと…」

----どういうこと。
主演は、ジョン・クランスキードリュー・バリモアだっけ。



「そうそう。
そのドリュー・バリモアの名前を見て
あっ、これは大丈夫と…。
彼女の出演映画は、
話がシリアスだろうとラブコメだろうと、
変に身構えたところがない。
物語を解き明かすように描いていて、
分かりやすく観やすい。
ある意味、オールドファッションとも言えるけど、
安心して観ることができるんだ」

----それって、観る側に想像の余地を残さず、
全部言いきっちゃうということでしょ。
ある意味、つまんなくない。
「いや。彼女の映画は、
そのさじ加減が実に巧い。
ちょっと思い返しても、
ドリュー・バリモアの映画に
“作家主義”の作品は見当たらない。
はて、その映画の監督ってだれだっけ?というのばかり。
でも、作品そのものは幸せな気分になったという印象がある。
とりわけラブコメ。
『25年目のキス』『5回目のファースト・キス』『2番目のキス』…。
宣伝サイドもそれに気づいているんだろうね。
“キス”をタイトルに持ってくる」




----スティーヴン・セガールの“沈黙”と同じだニャ。
「そういうこと。
アラスカのバロー沖。
分厚い氷の下で動けなくなっていたコククジラ3頭を、
救出しようとする人々の奮闘を実話に基づいて描いたこの作品も
実に分かりやすい構造を持っている。
クライマックスは、
誰が見てもクジラ救出の<瞬間>だものね。
いわゆる『ソウル・サーファー』と同じ。
実話からくる感動…という、お約束の世界」

----へぇ~っ。これ実話に基づいているんだ。
「そういうこと。
で、興味深いのは
ドリュー・バリモアが演じるヒロインのレイチェルというのが、
いま世界中で衝突を引き起こしているグリーンピースの活動家ということ。
見方によっては自己中心的で傲慢にも見える
その主張、生き方を
嫌味すれすれのラインで演じきるこの力量というのは、
さすが名優ならでは。
ある種、凝り固まった考え方にも見えるこのヒロイン、
いかにすれば観客に反発を持たないでもらえるか?
美化しすぎず、自分の欠点も演じた彼女の演技は、
繰り返しになるけど、一流の言葉がいちばんふさわしい」

----ニャんだか、ほめすぎてニャい?
それにドリュー・バリモアの演技のことばかり。
「あらら。
でも、お話の方もけっこうオモシロいんだよ。
閉じ込められたクジラを救うのが
グリーンピースであるヒロインの宿敵の石油採掘会社社長であったり。
あるいは環境政策の甘さを穴埋めしようとする大統領であったり、
本来ならクジラを食用とする地元の狩猟民族イヌピアトであったり…。
そこには、クジラ救出に集まる世間の目を意識しての思惑が入り乱れる。
そして最後には、レーガン大統領のゴルバチョフ大統領への要請で
ソ連が砕氷船で救出活動に乗り出すんだ」




---ニャるほど。
だから『だれもがクジラを愛してる』になるんだ。
「そういうこと。
クジラの造詣も本物そっくりだし…。
さっき、監督は表面に出ない…というようなことを言ったけど、
この作品に関しはそれは例外。
『旅するジーンズと16歳の夏』『そんな彼なら捨てちゃえば?』ケン・クワピス
実は『そんな彼なら捨てちゃえば?』では
ドリュー・バリモアは製作総指揮も兼ねている。
この映画への出演も、おそらくそのつながりだろうね」



                    (byえいwithフォーン)



フォーンの一言「クジラがまたリアルなのニャ」気持ちいいニャ


※そりゃ、もう大迫力だ度…

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