(英題:Corman's World : Exploits of a Hollywood Rebel)
----今日の映画は『コーマン帝国』。
これってロジャー・コーマンのドキュメンタリーだよね。
この人、いま一つよく分からないんだけど…。
「そうだね。
実はぼくが最初に彼の名前を目にしたのは、
雑誌『スクリーン』で紹介された『白昼の幻想』。
『ワイルド・エンジェル』も監督してていたりで、
サイケデリック&ヒッピーの人かなって…。
ところが、後になって
『アッシャー家の惨劇』など、
エドガー・アラン・ポー原作のホラーを
いくつも手がけていたことを知るんだ。
あれあれ、この人、どんな人?
と思ったら、
こんどはマーティン・スコセッシ監督の『明日に処刑を…』をプロデュース。
さらにはジョー・ダンテ監督『ピラニア』、
ジョナサン・デミ監督『怒りの山河』と、
当時の俊英たちの名前と一緒に彼の名前が出てくるようになる。
その中には、コッポラ、モンテ・ヘルマン、ロン・ハワード、ピーター・ボグダノヴィッチ、
さらにはあのキャメロンまで…。
こうなると、コーマンはアメリカ映画界のゴッドファーザー…のはず。
なのに、なぜか彼の名前はメジャースタジオのブロックバスター作品には出てこない。
いったい、何者なんだろうって?」
----で、この映画を観たら、
その実像に近づけるってわけ?
「そう、ある程度はね。
彼が作ってきた映画が、あまりにも
ストレートにセックスやバイオレンスを打ち出しているため、
どこかおっかないイメージがあったんだけど、
これが文学か何かの教授のようにモノ静かなイメージ。
でも、映画を製作する熱はずっと燃え続けていて、
いまだに作り続けている。
その姿は、いわば万年映画青年。
製作費は莫大なのにCGを多用している映画が多い昨今、
彼の映画は手作り感でいっぱい。
現場の楽しさに満ち溢れているんだね」
----『スター・ウォーズ』でいえば、
後にCGで手を入れる前の感覚?
「おっ。
いいところを突いてきたね。
ロジャー・コーマンいわく、
『「JAWS・ジョーズ」』と「スター・ウォーズ」が自分の居場所を奪った』…。
それまで、宇宙や巨大生物など想像上の世界を
チープな特撮によって描いていたのに、
それを大予算で作られちゃった。
ジャック・ニコルソンの言葉じゃないけど、
緑の光線が飛び交う嘘っぽい映画が一掃されたのは
ぼくもやはりさびしい気がする」
----それって、意地悪な言い方をすれば、
技術の進歩に追いつかなかったってことでしょ?
勉強不足なのでは…?
「う~ん。
そこがロジャー・コーマンの、
強いては、この映画の哀しみ。
古き良き時代の、のどかな映画作りがそこにはある。
それをもっとも分かっているのが、
ロジャー・コーマンが見出した一人、ジャック・ニコルソン。
コーマンについて語っているうちに、
感極まったニコルソンは涙を流してしまうんだ。
一方、これもどうとらえるかだけど、
実はハリウッドは、彼にアカデミー賞名誉賞を授与するんだ」
----アウトサイダーとしては複雑だよね…。
「うん。
その時のスピーチが
『この世界で成功するには、危険を冒す必要があると思う。
今、最も優れている映画は、
危険を冒し賭ける勇気のある独創的で革新的な映画製作者が撮影したものだ。
だから常に賭けて、危険を冒すことを忘れないでほしい』。
そして彼は今も低予算で
着ぐるみパニック・ホラーを作っている。
こういう人は、もう二度と出ないだろうね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「コーマンという人は、ベルイマン『叫びとささやき>』や
『フェリーニのマルコルド』などを全米配給したらしいのニャ」
※彼の部屋にはトリュフォーの『アデルの恋の物語』のポスターが貼ってあった度
こちらのお花屋さんもよろしく。
こちらは噂のtwitter。
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----今日の映画は『コーマン帝国』。
これってロジャー・コーマンのドキュメンタリーだよね。
この人、いま一つよく分からないんだけど…。
「そうだね。
実はぼくが最初に彼の名前を目にしたのは、
雑誌『スクリーン』で紹介された『白昼の幻想』。
『ワイルド・エンジェル』も監督してていたりで、
サイケデリック&ヒッピーの人かなって…。
ところが、後になって
『アッシャー家の惨劇』など、
エドガー・アラン・ポー原作のホラーを
いくつも手がけていたことを知るんだ。
あれあれ、この人、どんな人?
と思ったら、
こんどはマーティン・スコセッシ監督の『明日に処刑を…』をプロデュース。
さらにはジョー・ダンテ監督『ピラニア』、
ジョナサン・デミ監督『怒りの山河』と、
当時の俊英たちの名前と一緒に彼の名前が出てくるようになる。
その中には、コッポラ、モンテ・ヘルマン、ロン・ハワード、ピーター・ボグダノヴィッチ、
さらにはあのキャメロンまで…。
こうなると、コーマンはアメリカ映画界のゴッドファーザー…のはず。
なのに、なぜか彼の名前はメジャースタジオのブロックバスター作品には出てこない。
いったい、何者なんだろうって?」
----で、この映画を観たら、
その実像に近づけるってわけ?
「そう、ある程度はね。
彼が作ってきた映画が、あまりにも
ストレートにセックスやバイオレンスを打ち出しているため、
どこかおっかないイメージがあったんだけど、
これが文学か何かの教授のようにモノ静かなイメージ。
でも、映画を製作する熱はずっと燃え続けていて、
いまだに作り続けている。
その姿は、いわば万年映画青年。
製作費は莫大なのにCGを多用している映画が多い昨今、
彼の映画は手作り感でいっぱい。
現場の楽しさに満ち溢れているんだね」
----『スター・ウォーズ』でいえば、
後にCGで手を入れる前の感覚?
「おっ。
いいところを突いてきたね。
ロジャー・コーマンいわく、
『「JAWS・ジョーズ」』と「スター・ウォーズ」が自分の居場所を奪った』…。
それまで、宇宙や巨大生物など想像上の世界を
チープな特撮によって描いていたのに、
それを大予算で作られちゃった。
ジャック・ニコルソンの言葉じゃないけど、
緑の光線が飛び交う嘘っぽい映画が一掃されたのは
ぼくもやはりさびしい気がする」
----それって、意地悪な言い方をすれば、
技術の進歩に追いつかなかったってことでしょ?
勉強不足なのでは…?
「う~ん。
そこがロジャー・コーマンの、
強いては、この映画の哀しみ。
古き良き時代の、のどかな映画作りがそこにはある。
それをもっとも分かっているのが、
ロジャー・コーマンが見出した一人、ジャック・ニコルソン。
コーマンについて語っているうちに、
感極まったニコルソンは涙を流してしまうんだ。
一方、これもどうとらえるかだけど、
実はハリウッドは、彼にアカデミー賞名誉賞を授与するんだ」
----アウトサイダーとしては複雑だよね…。
「うん。
その時のスピーチが
『この世界で成功するには、危険を冒す必要があると思う。
今、最も優れている映画は、
危険を冒し賭ける勇気のある独創的で革新的な映画製作者が撮影したものだ。
だから常に賭けて、危険を冒すことを忘れないでほしい』。
そして彼は今も低予算で
着ぐるみパニック・ホラーを作っている。
こういう人は、もう二度と出ないだろうね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「コーマンという人は、ベルイマン『叫びとささやき>』や
『フェリーニのマルコルド』などを全米配給したらしいのニャ」
※彼の部屋にはトリュフォーの『アデルの恋の物語』のポスターが貼ってあった度
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