ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『マシンガン・プリ―チャー』

2012-01-13 23:22:00 | 新作映画
(英題:Machine Gun Preacher)



「こんな変な映画、
久しぶりに観た気がする」

----“変”?
これって、実際の人がモデルになっているんでしょ?
ちょっと失礼じゃニャい。
「いくつもの物語、エピソードが
一つの映画に入っているようで
妙に収まりが悪く感じる。
でも、それがある意味、魅力的でもあるんだけど…。
もっと突っ込んで言うなら、
この映画の主人公は、
それだけの有為転変に富んだ人生を送っているんだ。
分かりやすく説明しよう。
物語は、アフリカのスーダンから始まる。
そこで語られるエピソードは目を背けたくなるもの。
一人の少年が、
自分と弟を生き延びさせるために、
彼らの母親を撲殺しろと命じられる。
そして、物語は一気にアメリカへ。
そこでは刑務所帰りの麻薬密売人サム・チルダース(ジェラルド・バトラー)が
出所そうそう、妻・リン(ミシェル・モナハン)に絡んでいる。
宗教の道に目覚めたリンがストリッパーを辞めたことに腹を立てているんだね」

----つまり、彼は刑務所でまったく改心しなかったってわけだね?
「うん。
で、再び親友のドニー(マイケル・シャノン)とつるんでヤクに手を染め、
あげくに一人の男を半殺しにしてしまう。
さすがに、これはまずいと
教会の門をたたくチルダース。
仕事にも精を出して、自分の家を持つまでになる彼だけど、
あるとき、教会でアフリカの子供たちの悲惨な状況を知る。
ボランティアの一環で訪れたアフリカの地。
そこでゲリラの襲撃で親を亡くした子供たちの姿を目の当たりにした彼は、
その地に孤児院を建てることを決意。
しかし、それさえも焼きつくされてしまう。
絶望の淵に沈む彼が選んだ道とは…」




----それがマシンガンを手にすることなんだね。
「うん。最終的にはね。
まあ、そこまでも紆余曲折あって、
アメリカでは貧しい人たちのために
彼らも訪れることができるような教会を建てる。
ところが、アフリカの状況はこんなものではない。
彼らのために融資に奔走する彼は
なんと家まで手放してしまう。
実は、ぼくはこの映画を観終わるまで、
これが実話なんてこと露知らず、
なんでこんな映画作ったんだろうって…」

----どういうこと?
アフリカの現実を伝えるには意味があるんじゃニャいの?
「確かにそうなんだけど、
それはここで描かれていることが事実との前提の上でのこと。
ぼくは、まさかこれがそこまで現実とは知らないわけだから、
映画でも言われているように“アフリカのランボー”、
つまり、自らが正義と信じることのため
力で加勢するアメリカ人の讃美に見えたわけだ。
この主人公は、酒と麻薬におぼれ、バイクで暴走するという過去を持っているだけに、
その対比という意味でも、これはいかにも映画的に見えるからね。
ところが、ラストであっと驚く仕掛けが…。
まあ、想像はつくだろうけど、これは言わないでおこう。
何よりもこの映画、最大の見どころは
その不良時代、更生期、さらには狂信的な入れ込み、
最後は傭兵張りに銃を持って戦う男と、
いくつもの変貌を見せてくれるジェラルド・バトラーの演技に尽きるだろうね」




----監督は誰ニャの?
『チョコレート』

ハル・ベリーにオスカーをもたらせたマーク・フォースター
ぼくとしてはそれもこの映画に引かれた理由の一つだけどね。
でも、正直言うと個人的には
最近入れ込んでいるミシェル・モナハンが奥さんを演じていること。
これが何よりもうれしかったんだけどね」
----ニャんだ、それ…。




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「この人、いまも戦っているらしいのニャ」身を乗り出す

※とにかく実話というのが信じられない度

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