----『まほろ駅前多田便利軒』って、
この連休に2回も観に行ったんだよね。
ツイッターでも、暫定邦画ベスト1とか言っていたみたいだけど…。
「うん。
まず、個人的にこの空気が好きということもあるけどね…。
まるで70年代の日本映画を思わせるような、
起こっていることが自分の周囲のことばかり。
で、その小さな世界の中に、
それでもいろんなことが巻き起こって、日々を生きていく。
最初に観たのがMOVIX昭島という、いわゆるシネコンだったけど、
なんだか、一昔前の文芸地下にいるような錯覚を感じたものね」
----出演が松田龍平ということもあるのかな。
「うん。
彼の演技はこれまの中で一番好きだな。
あの“ひひっ”という変な笑いも含めて、
このキャラクター作りをどうやって見つけたんだろうと…。
勝手に想像するに父・松田優作の
エキセントリックな演技を自分なりに噛み砕いてみたということじゃないかと…。
演じていて、これは楽しかっただろうな。
演技で言えば、主役の瑛太もそう。
クライマックスで自分の過去を独白するシーンは
これまでの彼の演技の集大成。
ワンショットであの長台詞を喋りきる。
そしてここで見逃せないのが
それを受けての松田龍平の微妙な仕草。
慰めの言葉をかける寸前、
体がビクッと震えるんだ。
あれは、瑛太の演技に呼応しての自然なものなのか、
それともその告白の中身にブルッときたと見るべきか。
で、キャメラは、彼の顔を写さない。
髪に隠れてもしかしたら泣いているかも…と、
観客に想像させる写し方を選び取っているんだ」
----ちょ、ちょっといきなりクライマックスの話じゃ、
なんのことか分からないよ…。
「ごめんごめん。
じゃあ、簡単に。
主人公は、まほろ駅前で便利屋を営む多田(瑛太)。
その彼が、あるとき再会したのが
中学校時代の同級生・行天(松田龍平)。
ふたりには、ある過去がある。
それは、まったく喋らない行天を喋らせようとした多田のせいで、
彼が指に大きな怪我をしたというもの。
いまや、そのことをギャグにしてしまう行天の変貌に
多田は戸惑いを隠せない。
で、彼はずるずると行天を部屋に置くことにするのだが…」
----ニャるほど。友情モノってわけか…?
「いや、それだけじゃない。
ふたりのセリフ一つひとつが
研ぎ澄まされていて無駄がないんだ。
一見、ずぼらなように見えて、
なにかコトがあると、
彼らの口をついて出るのは、
いつも人生の含蓄を含んだ言葉。
で、これは何かあるぞ…と、思いながら見ていると、
次第次第に彼らが負っている傷が浮かび上がってくる。
この構成が実に巧い。
もとより、個性的な生き方をしている人たちの現在を描き、
彼らを現在進行中の事件にぶつからせることで、
その過去を浮かび上がらせる。
いやあ、ダイナミックな映画だ。
しかも、そういう過去の傷を負った男たちが、
じゃあ、これからどう生きていくか、
自分なりにその回答を模索している。
彼らは、決して人生を捨ててはいない。
その回答が正しいか正しくないかは分からないし、
また、自分の信条通りの人生を歩んでいるわけでもない。
その姿勢が嬉しい」
----(笑)。一気に喋ったね。
まるで瑛太だ。
あっ、見てくれは全然違うけどね(爆)。
(byえいwithフォーン)
※追補
この映画は父親になれなかった男と親に愛されなかった男、
ふたりの疑似的父子関係が根底に流れていることを書き逃してしまいました。
また、いかにもシリーズ化されそうな終わり方ですが、
そうなったとしても、すでにふたりの過去が明らかになってしまったことから、
2作目以降はまったく違うモノにならざるをえないでしょう。
そう、さくらが結婚してしまった『男はつらいよ』のように…。
フォーンの一言「でも、ふたりはこの映画の設定には若すぎるニャ」![もう寝る](http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/05/0000123905/21/img93e72f79wp5h8e.jpeg)
※瑛太が尊敬する俳優は、松田優作と松田龍平らしい度![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en4.gif)
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この連休に2回も観に行ったんだよね。
ツイッターでも、暫定邦画ベスト1とか言っていたみたいだけど…。
「うん。
まず、個人的にこの空気が好きということもあるけどね…。
まるで70年代の日本映画を思わせるような、
起こっていることが自分の周囲のことばかり。
で、その小さな世界の中に、
それでもいろんなことが巻き起こって、日々を生きていく。
最初に観たのがMOVIX昭島という、いわゆるシネコンだったけど、
なんだか、一昔前の文芸地下にいるような錯覚を感じたものね」
----出演が松田龍平ということもあるのかな。
「うん。
彼の演技はこれまの中で一番好きだな。
あの“ひひっ”という変な笑いも含めて、
このキャラクター作りをどうやって見つけたんだろうと…。
勝手に想像するに父・松田優作の
エキセントリックな演技を自分なりに噛み砕いてみたということじゃないかと…。
演じていて、これは楽しかっただろうな。
演技で言えば、主役の瑛太もそう。
クライマックスで自分の過去を独白するシーンは
これまでの彼の演技の集大成。
ワンショットであの長台詞を喋りきる。
そしてここで見逃せないのが
それを受けての松田龍平の微妙な仕草。
慰めの言葉をかける寸前、
体がビクッと震えるんだ。
あれは、瑛太の演技に呼応しての自然なものなのか、
それともその告白の中身にブルッときたと見るべきか。
で、キャメラは、彼の顔を写さない。
髪に隠れてもしかしたら泣いているかも…と、
観客に想像させる写し方を選び取っているんだ」
----ちょ、ちょっといきなりクライマックスの話じゃ、
なんのことか分からないよ…。
「ごめんごめん。
じゃあ、簡単に。
主人公は、まほろ駅前で便利屋を営む多田(瑛太)。
その彼が、あるとき再会したのが
中学校時代の同級生・行天(松田龍平)。
ふたりには、ある過去がある。
それは、まったく喋らない行天を喋らせようとした多田のせいで、
彼が指に大きな怪我をしたというもの。
いまや、そのことをギャグにしてしまう行天の変貌に
多田は戸惑いを隠せない。
で、彼はずるずると行天を部屋に置くことにするのだが…」
----ニャるほど。友情モノってわけか…?
「いや、それだけじゃない。
ふたりのセリフ一つひとつが
研ぎ澄まされていて無駄がないんだ。
一見、ずぼらなように見えて、
なにかコトがあると、
彼らの口をついて出るのは、
いつも人生の含蓄を含んだ言葉。
で、これは何かあるぞ…と、思いながら見ていると、
次第次第に彼らが負っている傷が浮かび上がってくる。
この構成が実に巧い。
もとより、個性的な生き方をしている人たちの現在を描き、
彼らを現在進行中の事件にぶつからせることで、
その過去を浮かび上がらせる。
いやあ、ダイナミックな映画だ。
しかも、そういう過去の傷を負った男たちが、
じゃあ、これからどう生きていくか、
自分なりにその回答を模索している。
彼らは、決して人生を捨ててはいない。
その回答が正しいか正しくないかは分からないし、
また、自分の信条通りの人生を歩んでいるわけでもない。
その姿勢が嬉しい」
----(笑)。一気に喋ったね。
まるで瑛太だ。
あっ、見てくれは全然違うけどね(爆)。
(byえいwithフォーン)
※追補
この映画は父親になれなかった男と親に愛されなかった男、
ふたりの疑似的父子関係が根底に流れていることを書き逃してしまいました。
また、いかにもシリーズ化されそうな終わり方ですが、
そうなったとしても、すでにふたりの過去が明らかになってしまったことから、
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