ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『電車男』

2005-05-27 00:19:43 | 新作映画
「さて、これもネタバレ注意と...」
------えっ、こんな映画にネタバレなんていうような仕掛けあるの?
「そう言いたくなっても当然だよね。
原作はインターネットのサイトでの実際のやり取りをまとめた新書。
その内容と言うのが、女性に全く縁のなかったヲタク青年が
掲示板サイト2ちゃんねるの住人たちの熱い励ましを受け、
あこがれの美女との距離を少しずつ縮めていくというもの。
映画では主人公の<電車男>を
これが映画初主演となる山田孝之が演じている。
で、憧れの女性<エルメス>に中谷美紀。
ま、そういう映画だ」

------あれっ、それだけ?
「うん。だって他に紹介しようがないだろう。
そりゃあ、この<電車男>があまりにいじいじしてるとか、
告白のときに、とにかくよく泣くとか、
終始、女性が余裕を持ち優位に立ってるとか、
ま、いろいろあるけど、
それが原作の設定だとしたら仕方ないじゃない。
その通りに映画化しないと、ベストセラーだから
いろいろ言われかねないもの」

------ちょっと待った。いまの引っかかる。
設定って、何よ?
「う~ん。この話でぼくが一番腑に落ちないのは、
<電車男>さんの話がどこまで本当か....ってこと。
ネットの人たちは、彼に会ったことがないわけで、
でも彼の<恋物語>を素直に信じてネットに書き込んでいるわけだ。
だとしたら、フォーンが人間の言葉を喋るのも
本当だと思う人がいてもおかしくない」

------ありゃあ。きついこと言うね。
「お話自体は、要約すると
気の弱い男の人がみんなの励ましを得て、
勇気を身につけ告白してうまくいきましたっていう、
ただそれだけの話。
ぼくが思うに、監督たちスタッフも作っていくうちに
これが事実か否かについて、多少なりとも疑問が芽生えたんじゃないかと思う。
もしかしたら、脚本段階ですでに書いてあるのかも知れないけど、
この恋のサクセス・ストーリーのすべてを覆すような
とんでもないエンディングが用意されている」

-----ありゃりゃ、そんなことバラしていいの?
「だからネタバレ注意と言ったじゃない。
しかもエンドクレジットの後に、もう一段スゴいオチが。
それまで『なに、この映画...』と斜に構えて観ていたたけど、
ここで吹っ飛んだね。
いわゆる二段オチだ。
ここを観ると、この監督・村上正典が原作に対して取っている距離がよくわかる。
監督はおそらく、この<電車男>さんよりも
彼の話を素直に信じ、
『ガンバレ!』とエールを送った普通の人たちの方に
興味あるんじゃないか......そう思うな」

(byえいwithフォーン)

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