ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『プライド・栄光への絆』

2005-05-02 21:39:46 | 新作映画
------これってアメフトの映画だよね。
しかもコーチのエピソードが中心に語られる。
こういう映画ってけっこう多いよね。
「うん。こちらはバスケだけどジーン・ハックマンの
『勝利への旅立ち』というのもあった。
同じバスケで、その名も『コーチ・カーター』という新作もある。
初登場全米No.1のこの作品は日本では8月公開だ」

-----おやおや、アメフトは?
「悪い悪い(笑)。話をアメフトに戻そう。
この『プライド・栄光への絆』では、
高校のアメフトチームがいかに故郷の期待を背負っているかが
よく分かる映画となっていた。
デンゼル・ワシントンがコーチに扮した
『タイタンズを忘れない』も、やはりそうだったね。
ただ、ここでは人種の壁にもスポットが当てられていたけど…」

------日本で言えば甲子園だね。
「あっ、そうか。でもアメフトの場合は、
低所得者層がアメリカン・ドリームを手に入れる手段の一つでもあるというのが大きな特徴。
この件に関してはドキュメンタリーの名作『フープ・ドリームス』にも詳しい。
本作では、このコーチ、選手、そして彼らを取り巻く人々を、
それこそドキュメンタリーかと錯覚に陥りそうなまでの
生々しいタッチで描いていく」

------ドキュメンタリータッチってよく使われる言葉だけど、
それってどういうこと?
「う~ん。痛いところつくね。
一言で言えば『カメラの存在を意識させない』ということかな。
ドラマを作ってそれを写しているのでなく、
そこにカメラを持ち込んだという感じ。
しかも照明もあまり作り込まず、粒子の粗い映像になってる」

------じゃあ、見づらいんじゃニャイの?
音も聞き取りにくいだろうし。
「そこなんだよ。この映画の特徴は、カメラはよく動くし、
音の迫力が凄い。
ボールのパス、キャッチ、そして肉弾戦でぶつかり合う音が、
アメフトの持つ本質的部分、
危険と隣り合わせのスポーツであることをいやが上にも強調する。
その音に引きずられてドラマも進行。
スター選手が十字靱帯を損傷し、貧困生活から抜け出す夢をたたれる。
一方で、その不甲斐ないプレイをいつも父に叱責される別の選手は、
父からボールを手に叩きつけられる。
それらの<痛み>は<音>として、こちらにもビシビシ伝わってくる」

------ニャルほど、音の痛みね。
ところで「金曜日のカクテル光線」というタイトルの意味は?
「舞台はテキサスのスモールタウン。
そこでは金曜日の夜になると街中の店がクローズし、
人々がスタジアムに集まる。
そして店の代わりにスタジアムの照明灯に灯が入るのさ。
あっ、主演はビリー・ボブ・ソーントン。
In memory of Alan J. Pakulaとなっていたよ。
そう、当初はアラン・J・パクラが監督する予定だったらしい。
う~ん、パクラだったらもっと手堅いけど、
面白みに欠けた渋い上がりの作品になってただろうね」

(byえいwithフォーン)

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