安孫子武丸著"0の殺人"を読みました。
かなり前の作品です。
刑事の速水恭三が捜査に当たります。
恭三の弟の慎二は喫茶店のマスターです。
妹のいちおは喫茶店を手伝っています。
恭三が弟と妹に事件の内容を話して推理してもらうという
形式の話です。
この兄弟が出てくる本を読んだ記憶がありますが、この本では
なかったと思います。
10年ほど前の事件ですが犯人がわかっていない事件です。
藤田カツというお金持ちの老女の誕生日パーティに
姪の串田浩子と甥で浩子の弟の辰夫、弟の三浦源治と
弁護士とかかりつけの医者が参加しました。
お手伝いの沙由里が給仕をしています。
コーヒーを飲んだ浩子が青酸で死亡しました。
砂糖が怪しまれます。
辰治がアパートの屋上から転落死しました。
同じようなアパートの人がすれ違えるだけの幅しかないところに
落ちていました。
弟の源治は飛行機に乗って大阪へ向かう途中で飛行機が
爆破され死んだとみなされます。
カツは飛行機が爆破したころ死んでいます。
ナイフが刺さって見つかりましたが病死したのち刺されたと
わかりました。
事件の起こった時の話と、恭三が弟と妹に話す場面が交互に
出てきます。
推理力が一番あるのは弟の慎二です。次がいちおで実際に捜査を
している恭三が一番ないというのは傑作です。
0の殺人という題名の意味が最後にわかりました。
なるほど。
しかしまあ、人のお金を当てにして生きるなんてつまらない
じゃないですか。