雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

東京近江寮食堂

2015-07-19 21:00:00 | 

渡辺淳子著"東京近江寮食堂"を読みました。
妙子は定年退職前の有給休暇を利用して滋賀から東京へ
10年前に蒸発した夫を探しにきました。
少し前に夫からばがきが届きました。
消印から東京の上野のあたりだとわかりました。
財布を落としてしまい途方にくれます。
地元の歯医者から財布を拾った人から連絡があったと
知らせがありました。
拾ってくれた人は滋賀県の宿泊施設の近江寮の管理人の
鈴木安江でした。
近江寮に泊まって夫を探すことになります。
食事は出してもらえるのですが安江の料理のまずさに
辟易として妙子は料理を手伝って食費無料と宿泊代をまけて
もらいます。

寮の近くに現れたホームレスの不審な行動から彼が妙子の
写真をもっていることがわかります。
彼の話から夫の秀一の行動を追っていきます。

妙子の料理は好評で長期宿泊者の光成や池花も食べるように
なりました。
近所に住む安江の姑のヨシ子も連れられてきて食事をする
ようになります。
ネットでおいしいと流れて外国人の旅行者たちも食事に
くるようになりました。

光成は望んでいた仕事にはつけなくて将来に希望がもてないで
います。
池花はパートナーが重病で地元から東京の医療を求めて
やってきました。

秀一がどうして家を出たのか考えるようになります。
探せば見つかるところにいることはわかりましたがそっと
しておくことにしました。

ヨシ子は物事がわからないようなところもありますが
悩みを抱えるみんなにはっとする意見をいいます。

夫を一緒に探してくれた安江を妙子は友達だと感じるように
なります。

休暇が終わり妙子は滋賀に帰ります。
一旦は客が増えた近江寮ですが安江が料理するように戻って
から客は減り元に戻ってしまいます。

妙子は近江寮で本格的に食堂をやるつもりで戻ってきます。

最初のうちはなんだかなぁと思っていましたが段々と
おもしろくなっていきました。
寮の人たちとの繋がりもいいですね。
妙子の作る料理はおいしそうです。