雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

サリーはわが恋人

2014-11-30 21:00:00 | 

アイザック・アシモフ著"サリーはわが恋人"を
読みました。
SFの短編集です。
本編に入る前にアシモフの書くにいたった状況等の
説明文があります。
アシモフの他の本でもこういう形式のものがあります。
この文も楽しみです。

未来の地球以外の星でにも住んでいたり、他の星人と
交渉があったりします。
中には内容が理解できないものもあります。
一番良かったのは題名になっている"サリーはわが
恋人"です。
自動式自動車が走るようになった時代です。
ファームと呼ばれる養車院で51台の車が暮らしています。
ジェイクという老人が世話をしています。
車は人に乗られることなく自由に走っています。
自動式自動車は高くエンジンを盗もうという人物が
ジェイクに手伝いをせまります。
ジェイクは車たちが自分で考えお互い意志疎通しあい
人間の言葉を理解していると感覚的に思っています。
悪人たちが無理やりエンジンを盗もうとやってきた時に
車たちはジェイクや自分たちを守る行動に出ます。
サリーはジェイクが好きな車につけられた名前です。

伊坂幸太郎さんの"ガソリン生活"に登場する車より
進化しています。
自分の意思で動き人の言葉を理解しているということを
人にもわからせています。
"サリーはわが恋人"は車が語る形式ではありません。
"ガソリン生活"のように車側からの視点でも
書かれたものも読んでみたいです。
ジェイクはサリーたちのしたことを知った後は怖気づいて
しまいます。
人口知能がどんどん進化すればいずれ命を持つかも
しれませんね。
サリーたちは今どのような精神状態なんでしょう。

"つまみAをつまみBにさしこむこと"は2ページにも
みたないショートショートです。
テレビ番組に出演している間の30分で書いたそうです。
途中で落ちがわかりました。
あははと笑ってしまう話です。
落語家の小話みたいな感じのものです。
宇宙ステーションで暮らす人が地球から送られてくる道具が
いつもばらばらで送られてきて組立説明書もいい加減で
組立に困っています。
基地に文句をいったら改善するからと送られてきたものは。

"ストやぶり"は未来の宇宙で暮らすような時代までも
人は差別を止めないのかとさみしくなる話です。

おもしろかったです。

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