藤岡陽子著"手のひらの音符"を読みました。
瀬尾水樹は45歳の服飾デザイナーです。
会社が服飾部門の撤退を決めました。
水樹は数ヶ月後には仕事を失うことになります。
デザイナー以外の仕事の再就職活動を始めました。
水樹はずっと独身です。
高校時代の友人の堂林憲吾から上田遠子先生が
重病だと知らされます。
過去と現在をいったりきたりとします。
水樹には幼馴染の友達がいます。
森嶋信也です。
彼には兄の正治と弟の悠人がいます。
弟は言い出したらがんとして人の言うことは聞かない
子でした。
兄たちは弟の悠人の面倒をよくみていました。
正治は悠人を探していて事故で亡くなってしまいます。
中学、高校と同じ学校で過ごします。
中学の時に転校してきたのが憲吾です。
彼はそれまでを海外で過ごしています。
信也も憲吾も水樹も抱えていることがあります。
強い絆で結ばれている彼らですが高校卒業後は連絡を
取り合っていません。
信也は一家で行方不明になりました。
水樹は信也のことを深く思っています。
今まで夢中になってやってきた仕事を失うことになった
女性の心理と、過去の友人たちとの思い出やこれからの
彼らがどう生きていくのかが描かれています。
大人になっても心の中に子供のころの友人たちはしっかり
生き続けています。
なぜ探さなかったのか、会わなかったのかちょっと理解
できないところはあります。
水樹は上田遠子先生によって進むべき道を示されました。
先生というのはそんな重大なことができるのですね。
みんな一生懸命生きてきました。
悠人の現在にはびっくりします。
気持ちよく読めます。
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