雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

生きるぼくら

2013-02-17 21:33:33 | 

原田マハ著"生きるぼくら"を読みました。
麻生人生はいじめから引きこもりになりました。
両親は離婚して人生は母と暮らしています。
どうでもいいことですけど主人公の名前が人生(じんせい)
なのですが、人生って出てくると名前だとすぐわからずに
うんって思考が1,2秒止まってしまいます。

人生はパソコンと携帯を操作しているだけの毎日を
送っています。
母は仕事をかけもちして働いています。
ずっと面倒をみてくれていた母が生活に疲れてある日
黙って家を出て行ってしまいました。
数枚の年賀状が残されていました。
この中の誰かにすがってみたらと書き残されていました。
その中の一枚に父方の祖母のものがありました。
長野の茅野に住んでいる真朝、マーサばあちゃんです。
両親の離婚前にはよく遊びに行っていて好きな場所で
好きだったばあちゃんでした。
人生はマーサばあちゃんの家に行くことにします。
茅野駅の駅前で食堂をやっている志乃さんに出会います。
車でマーサばあちゃんの家に送ってもらいます。
訪ねていったマーサばあちゃんは軽い認知症で最近の
ことはわからなくなっています。
家にはつばさという若い女性がいっしょにいます。
彼女は孫だといいます。
離婚した父が再婚した女性の連れ子です。
人生は父親が最近亡くなったことを知ります。
つばさは母も亡くしています。
つばさは血は繋がっていませんがマーサばあちゃんを
とても大事に思っています。
つばさも対人恐怖症という問題をかかえています。
三人の生活が始まりました。
人生は介護施設などを回って掃除をする仕事につきました。
志乃さんにいろいろ助けてもらっています。

マーサばあちゃんのつくるお米はとてもおいしいです。
でももう止めるといいます。
人生とつばさは自分たちでやってみようと思います。
マーサばあちゃんの米作りは独特です。
昔ながらの手作業の米作りをもっと原始的にしたような
方法です。
耕さず肥料もやらず草も最低限ぬくといったものです。
現在の米作りは機械でやりますがマーサばあちゃんの
方法ではものすごく手間がかかります。
近所の人たちが田植えや稲刈りなどはやってきて手伝って
くれます。
こうして1年がたち人生たちが作った米を食べることが
できました。

問題を抱えた若者たちの立ち直りの物語です。
マーサばあちゃんがすてきです。
田がある風景が目に浮かびます。
手助けしてくれる志乃さんもすてきな女性です。
人生はあっさりと立ち直れました。
こんなに簡単に立ち直れるものなのかと疑問に思わない
ではありません。
ちょっとした環境の変化や人との出会いで気持ちが
切り変わるということはあるでしょうね。
米作りの過程はおもしろかったです。
人生は母に会いに行きます。
ほんとにがんばった人ですからお母さんには幸せに
なってもらいたいものです。

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