雑記帳

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舟を編む

2014-11-27 21:00:00 | 

三浦しをん著"舟を編む"を読みました。
ベストセラー小説で辞書を編纂する話だとは
聞いていましたがどんな話だろうと期待して
いました。
辞書っていったい誰が作ったのだろう、どうやって
作るのだろうということは学生時代に辞書を手に
した時に疑問に思ったものです。
それが解明されるのだろうかと期待しました。
でもわかったようなわからないような感じです。
そりゃ、実際に携わらない限りわかったという
ことはないでしょうね。
でも多少なりとも辞書を作ろうとする人々の
熱意や方法に触れられたとは思います。

最初に登場するのが荒木さんなので主人公は荒木
さんだと思いました。
しかし、荒木さんはあっという間に定年です。
荒木さんと組んで辞書作りをしてきたのは松本先生です。
辞書編集部には27歳の西岡がいます。
彼は営業向きの外部との交渉はうまいですが辞書に
思い入れはありません。
荒木は後をついでくれる辞書向きの人材を求めます。
西岡が見つけてきたのは同年の営業にいる真締です。
営業では変わり者扱いされています。
荒木は真締が辞書向きの人材だと引き抜いてきます。
松本と荒木は新しい辞書の「大渡海」の出版を願って
動き出したばかりです。
しかし会社はあまり乗り気ではありません。
西岡は西岡なりに辞書編集部に愛着があります。
しかし西岡は宣伝広告部に移動になってしまいます。
それから13年たちました。
真締は下宿のおばあさんの孫で料理人の賀具矢と
結婚してそのまま暮らしています。
その間、既刊の辞書の改訂版を出したりして大渡海の
編集はなかなか進みませんでした。
でもやっと出版の目途がつきました。
大学生のアルバイトをたくさん雇って連日チェックに
余念がありません。

辞書作りに熱中する人たちの熱意が伝わってきます。
仕事から離れてもいつも言葉に注意がいってしまいます。
ここまでのめり込めるのは幸せですね。
辞書とはかなり分厚いものです。
中のすべての言葉を知っているってことなんですよね。
すごいですね。
しかし真締さん、移動してすぐ上司や同僚がいなくて
どうやって仕事の手順みたいなもの覚えたのかな、
当たり前みたいに仕事に溶け込んでいます。
本の装丁は地味です。
辞書はこんな感じですものね。

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