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人類の精神面の進化をモチーフとしたSFミステリー,
哲学に興味ある私のツボに見事にはまってくれます.
面白いです.
筒井康隆さんの「家族八景」とか「七瀬ふたたび」などに通じる,進化した精神面をもつ新人類への迫害と逃亡.
そして最後の逆転劇.
ただ,この小説では,新人類が積極的に旧人類に関わろうとする.
いや,旧人類にも進化の芽は宿っているので,それを開花させてやろうとする.
進化の可能性があるのは若者が主体.
すでに精神の発達が止まった大人は対象外.だから,大人は邪魔しようとするわけね.
ある意味,実社会そのもの.
出るくいは打たれる.そのままです.
筒井ワールドだと,必ずしもすっきりした終わり方はしません.
それは筒井さんが真の天才だから,ついて来れないやつは置いていくというスタンスなんだな.
で,東野さんはどうかというと,彼もやはり天才だと思いますが,それ以上にエンターテイナーなんですよ.
だから,読者を置いてけぼりにはしない.
満足するように終わらせてくれます.
「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」
皆で光に感応しよう.
あ,だめだ.私は完全な旧人類だから,もう進化できないんだ.ザンネン.
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