書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「カササギたちの四季」道尾秀介

2017年06月20日 22時48分10秒 | 読書
「カササギたちの四季」道尾秀介




「リサイクルショップ・カササギ」の店員、日暮正夫(ひぐらしまさお)が主人公のミステリー短編集。
店長というか、店のオーナーは華沙々木丈助(かささぎじょうすけ)で、正夫の親友でもある。
この華沙々木が探偵気取りでいろんな事件に首を突っ込んでは、迷推理を企てて周りに迷惑を振りまく。
しかし、正夫はそんな華沙々木に振り回されながらも、結局その迷推理の欠陥を暴かずに、そっとしたまま、事件の解決を図るという至難の技を強いられることになる。それには、この探偵事務所、否、リサイクルショップに入り浸っている近所の女子中学生、菜美の存在が関わる。
ある理由があり、菜美にとって、華沙々木はヒーローでなければならないのだ。

今までの道尾作品とは一風味わいの変わった、ユーモアとペーソスの入り混じった心温まる短編集だ。
もちろん、推理のヒネリは効いているが、他の作品のような複雑な構成は影を潜める。
中高生の夏休みの読書感想文の題材に良いかもしれない。
時を忘れて楽しく読めることは間違いない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿