初めての乙一本.
なぜか,今まで乙一さんは未体験でした.
かなりの衝撃です.
一言で表すなら,”残酷さに溢れたファンタジー”ってところでしょうか?
10編からなる短編集です.
各々,いじめ,グロ,ホラー,推理,コメディといろんなタイプの小説のごった煮のような短編集なのですが,一貫しているのはファンタジー的な「あいまいさ」ですね.
何を言いたいのか,よくわからないんですが,ファンタジーなんですよ.
ファンタジーとしかいいようがない.
「乙一」という「世界」があることは確かです.
自分が,その世界に入れるのか否か,その入り口付近でうろうろしている感じがします.
よい例かどうかわかりませんが,筒井康隆さんの本をはじめて読んだ時の感覚に似ている気がします.
しかし,あの時と今とで大きく違うのは私の年齢です.
当時10代後半で,エネルギーに溢れていたころは,迷わず筒井ワールドに飛び込めた.
「宇宙衛生博覧会」とか「ベトナム観光公社」とか”ウヒャー”などと喚声上げながら読んでいました.
しかし,今は50台半ば,あの時のエネルギーはないですね.
で,いまだに逡巡している,わたくしめでございます.
そして、同じく衝撃を受けまして、一時立ち往生してしまいました。
でも、乙一さんは他の作風もあるのです!
もしお時間あれば「暗いところで待ち合わせ」だけは読んでいただきたいものです。
「暗いところで待ち合わせ」ですね.
読んでみたいと思います.
あ,今,もう一つの初読みで,奥田英朗さんの「町長選挙」を読んで,もう一冊,「空中ブランコ」も読もうと思っていたんですよ.
だから,その後になると思いますけど.
ご推薦をどうもありがとうございます.