「レインツリーの国」有川浩
初めて読んだ有川浩さんの小説です.
「図書館戦争」で有名な有川さんですが,その第2弾の「図書館内乱」に「レインツリーの国」という小説の話が出てくるそうです.
この本は,その実物版という設定です.
物語としてはストレートな恋愛小説の範疇に入ると言っていいでしょう.
恋愛小説では,相思相愛の主人公の二人の間を邪魔するものがないと,小説になりません.
あるときは,それが身分の差だったり,国籍・文化の差だったり,二人の仲に嫉妬する第三者だったりするわけです.
しかし,この小説では,「障害(聴覚)」が,その大役を果たします.
私なども,聴覚,視覚などの感覚障害は,お気の毒だなあとは思うものの,実際に彼らが世の中でどんなに辛い思いをして日々を送っているかは,実のところ理解が及びませんでした.
しかし,この小説では,普段健常者が気付かない,さまざまな苦しみに次々にスポットを当て,ある意味,目からうろこが落ちるように障害者の苦しみを理解させてくれます.
その意味で障害者の苦しみを健常者に理解させるという価値のある小説と言うことができるかもしれません.
でも,この小説の本当の価値は,障害が恋愛の邪魔をするときに,それを乗り越えられるか否かは,障害を持つ人が,世の中で逞しく生きていけるか否かと等価な課題であると言うことに気付かせてくれた点にあります.
恋愛は生きることの一部であり,同時に一事が万事なのです.
初めて読んだ有川浩さんの小説です.
「図書館戦争」で有名な有川さんですが,その第2弾の「図書館内乱」に「レインツリーの国」という小説の話が出てくるそうです.
この本は,その実物版という設定です.
物語としてはストレートな恋愛小説の範疇に入ると言っていいでしょう.
恋愛小説では,相思相愛の主人公の二人の間を邪魔するものがないと,小説になりません.
あるときは,それが身分の差だったり,国籍・文化の差だったり,二人の仲に嫉妬する第三者だったりするわけです.
しかし,この小説では,「障害(聴覚)」が,その大役を果たします.
私なども,聴覚,視覚などの感覚障害は,お気の毒だなあとは思うものの,実際に彼らが世の中でどんなに辛い思いをして日々を送っているかは,実のところ理解が及びませんでした.
しかし,この小説では,普段健常者が気付かない,さまざまな苦しみに次々にスポットを当て,ある意味,目からうろこが落ちるように障害者の苦しみを理解させてくれます.
その意味で障害者の苦しみを健常者に理解させるという価値のある小説と言うことができるかもしれません.
でも,この小説の本当の価値は,障害が恋愛の邪魔をするときに,それを乗り越えられるか否かは,障害を持つ人が,世の中で逞しく生きていけるか否かと等価な課題であると言うことに気付かせてくれた点にあります.
恋愛は生きることの一部であり,同時に一事が万事なのです.
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