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「アリバイ崩し承ります」大山誠一郎

2022年03月04日 11時50分40秒 | 読書
「アリバイ崩し承ります」大山誠一郎


この時計店には「時計修理承ります」という張り紙の他,「アリバイ崩し承ります」という張り紙もある.
店主の美谷時乃は祖父譲りの推理好きが嵩じて,アリバイ崩しの相談にも乗るという.
1件5000円だそうだ.
そんな商売が成り立つはずがないと思って読むのをやめるような人は,読まなければよい.
へえ,面白いじゃんと思う人がこの本を読む.それでよいのです.

ジャンルとしては倒叙ものですが,犯人のアリバイ崩しを成し遂げるのは刑事さんではなく,刑事さんから相談を受けた時乃さん.
しかも,警察が必死で捜査しても出来なかったアリバイ崩しをほとんど所要時間ゼロで解いて見せるわけです.

ただ,この時乃さん,どの推理小説とは言いませんが,犯人がわかっても,「まだそれを明らかにする時ではない」だの「完全な証拠が得られるまでは明かせない」だの読者を弄ぶような下品な言動がないのが,潔くてすごく好感が持てます.

解けた謎は,即座に明かしてくれる.これは気持ちいいです.

名探偵達の「どや顔」に食傷気味のあなた.一服の清涼剤のような時乃ワールドはいかがでしょうか?

あ,ドラマ化もされたみたいね.
全然知らなかった.残念.


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