「言わせとけ」

3月3日の「雨降って地固まる？」の続きです．
売り言葉に買い言葉，よくある話です．
しかし，「売り」「買い」というからには，
売るものと買うものが一致していなければ
なりません．
例えば，売る方は豚肉を売るつもりでいる
のに，買う方はニンジンを買おうとしてい
ると，商売は成立しませんよね．
ところが，けんかの場合は売るものと買う
ものが食い違っていることが多いです．
一方(Ａ)は，相手(Ｂ)のやり方が間違って
いるといい，相手(Ｂ)はＡのやり方こそ，
おかしいという．
明らかにすべきことは，正しいやり方がＡ
なのか，Ｂなのか，はたまたＣなのかＤな
のか，つまり，正しい方法はどれかという
ことです．
しかし，彼らはＡが違うとかＢが間違いと
か相手の方法を非難することしかしていな
い．つまり，売るものと買う物とが合って
いないんです．
これでは，話が進むどころかこじれる一方
です．こういう状況をさける方法はただ一
つ，当事者のどちらかが，相手の非難を聞
き流すことです．
つまり，「言わせておく」ことです．
相手の非難をとりあえず，肯定も否定もせ
ず，無視するか話題を変えることです．
もちろん，言うは易く，行うは難し，です．
しかし，これができない限り，二人に平安
は訪れないでしょう．
私も，煩悩多き中年ですが，最近になって
たまにですが，相手の非難を聞き流せるよ
うになりました．
そのおかげで，心の悩みが半減しました．
相手の非難を聞いた直後は，心の中は，炎
の嵐が吹き荒れます．しかし，怒りが通り
過ぎるのを待ち，少し時間が経つと，これ
で良かったんだという，平和の時間が訪れ
ます．
もし，これができなければ，言い争いの後
不愉快な気持ちを何日も，場合によっては
何ヶ月も抱き続けなければなりません．
まさに地獄ですよ．
しかし，上記の対処ができれば，わずか
数分の我慢をするだけで，平和な時間を再
び，取り戻せるのです．
私が，大学生活に夢に膨らませる息子を見
ても，ちっとも羨ましいと思わないのは，
上記の心の対処法をしらない若い時代には
戻りたくないからなんです．