散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

池島

2017-03-04 | Weblog
きっと四万十川に追い抜かれたんだろう。平成2年度の環境庁の調査で日本一の清流に選ばれた
という神浦川は、西彼杵半島の脊梁をなす山地から西に流れて角力灘に注ぐ。



河口に位置する漁港から、池島が見える。そこで2001年まで石炭を掘っていたというからすごい。
炭坑は昭和の遺産と思っていたけれど、2001年といえば平成13年。



あそこに見えるのが池島だ。なにやら住居のようなものが見える。昭和34年に石炭を掘り始めて、
最盛期には7000人を超える住民がいた。当時は人口密度が日本一だったという。



片道400円ぐらいで池島に渡れるというから、行ってみることにした。1日に何便か、フェリーとか
高速船とかボートが出る。実際に海を渡ると、岸で眺めるより波が荒い。ボートはつらいかも。



これが池島の空撮写真。ちいさな島に思えるけれど、港の中にすっぽりと軍艦島が収まるらしい。
もっとも、池島がでかいわけじゃなく軍艦島がちいさいだけ。



島に着いたら、こっちこっちと会議室に連れ込まれた。そこにはヘルメットをかぶった人たちが、
集会の始まるのを待っていた。何の活動かと思ったら、炭坑の見学に出かけるのを待っている
人たちだった。



ヘルメットをかぶらされ、見学料として2500円ほど徴収された。船代にくらべると結構たかい。
せっかくだから穴を見ていく。



常日頃、自分が働いているとき炭坑に入っているイメージがわいてくる。北海道の夕張で炭坑を
見学して以来ずっとそうだ。長崎の池島の炭坑は、さてどうだろう。



案内をしてくれる人の言葉が九州なまりで、ほとんど聞き取れない。ここで産出する石炭はとても
品質がよくて、日本の各地で炭坑が閉山しても2001年まで営業を続けた。



池島から潜って海底の鉱脈を掘り進んだ。鉱区はこのような広がりを見せている。と、いっている
ように聞こえたが、確かなことはわからない。このまま掘り進めば軍艦島のほうまで鉱脈が続いて
いるといったような、いわなかったような。



こんな石炭が、まだまだ掘れば出てくる。うまく使えば役に立つのだけれど、海外産の石炭に比べ
コストが高いので競争にならない。そんなふうに聞こえた。



この葉巻のようなものは、発破につかうダイナマイト。よかった、うっかり火をつけたら大変だった。
もう二度とブログが書けなくなるところだった。



あそこが出口である。あそこから外に出ると、何でもない日常の光景がじつに美しく見える。じつに、
あわれぶかく思えてくる。会社から帰るときのように。



池島の市営アパートは、家賃が月5000円らしい。5万円ではなく、5千円。島には銭湯があって、
料金は100円だと聞いた。そう確かに聞いた。



泊まろうと思えば宿泊施設もあるそうだけど、高速船に乗って戻る。この島に住んでいる人が十数人、
渡ってきて降りた。入れ代わりに乗って、神浦川の河口に戻る。



関連記事:  夕張
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トレド | TOP | 祈りの岩 »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | Weblog