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歩くことが唯一の趣味ですから。

心の京都

2020-05-09 | Weblog
緊急事態宣言が日本を覆ってどこにも行けないので心の旅をすることにした。これまで撮った写真でブログに使っていないものを集めて何か書いたら旅気分に浸れるかもしれない。



銀閣寺の下から哲学の道を南に歩くと、ほどなく左手にある法然院。そこの茅葺の山門をくぐると、本堂につづく道の両側にあるのが写真の白砂壇。お菓子の落雁みたいで美味しそうだから好きなのだが、これはお菓子ではなく、砂の表面に水の流れを描いた間を通って身を清めるためにあるらしい。



京福電車の鹿王院から、まっすぐJR嵯峨野線の高架をくぐって歩いていくとピチピチのギャルが油まみれでヌラヌラのお地蔵さんを拝んでいた。水をかける代わりに油をかける、油掛地蔵尊。どうして油をかけるようになったのか、よくわからない。地蔵の足元には食用油が供えてある。



地蔵から滴る油はこのように、地面に溜まって穴から蛇口を通って缶に注がれる。こうして集まった油はどうするのか、よくわからない。もういちど地蔵にかけるのか、それとも料理に使うのか。いまどき灯にするとも思えないが、電気が通る前はそうしたかも。



嵐山の渡月橋のすぐ南にある、十三参りで有名な法輪寺にはエジソン(右)とヘルツ(左)の顔の浮き彫りを壁にはめた電電塔がある。電気、電力、電波、電子の発展は人類の生活文化向上に大きく貢献し、世界の平和と繁栄に不可欠だからということで、その祖神である電電明神を祀る電電宮に建立されたのが、この電電塔らしい。



本気なのかパナソニック株式会社、関西電力株式会社、西日本電信電話株式会社、日本放送協会大阪拠点放送局、朝日放送株式会社、株式会社毎日放送、株式会社京都放送、京都府電機商業組合、一般社団法人日本電機工業会大阪支部……書ききれないくらい多くの法輪寺電電宮護持会会員の法人の数々。



マラリアの発生源になって昭和のはじめ干拓された巨椋池。この巨大な池が南にあるからこそ、山背の地に平安京が開かれたほど風水的に意味のある水だったのにやっちゃった。その跡地(の一角)が大池神社になっていて、池に生息していたあらゆる生き物の霊が祀られているとか。それは怖い。



境内に、人の背より少し高い石碑がある。あらゆる生き物の霊のことが書いてあるかと思って読むと、昭和16年に完成をみた干拓のおかげで美田およそ700ヘクタールを得たこと、米およそ3万石を産すること、昭和28年9月25日の台風13号で淀川堤防が決壊して干拓田が水没して巨椋池の再現を思わせたことが刻まれていた。そのときの水位がこの石碑の天辺というから、人の背より水かさがあった。


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