散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

向ヶ丘遊園

2023-11-10 | Weblog

楽しそうな名前の駅だと思って電車を降りた。向ヶ丘遊園。かつて遊園地があったようだが、いまはもうない。ようこそ生田緑地へ!と改札口に掲示してあり、遊園地なきあと緑地がいちばん推しみたいだから、その緑地のほうへ歩いていく。

途中、川を渡って府中街道を越える。このあたりに向ヶ丘遊園の入口があったらしいんだけど、いまはとくにそれらしき様子がない。2002年に閉園して、もう20年以上になるから無理もないだろう。まっすぐ生田緑地のほうへ進む。

駅から1本道だから迷いようがない。10分ほど歩くともう緑地に入る。そこに日本民家園があるので寄っていく。各地から民家を移築してきて保存している野外博物館のようなところで、進んでいくと思ったよりたくさんの民家が寄り集まって農村に迷い込んだみたい。

このように正門を入ると宿場があり、その先に信越の村、関東の村、神奈川の村、東北の村がある。神奈川の村は関東の村じゃないかと思うけど、ここはおそらく神奈川なので他の関東とは一線を画す意識があるのだろう。川崎市なのかな?

これが信越の村だった。雪で倒壊しないためだろうか、屋根の角度が関東の村(含む神奈川の村)と比べて鋭角のように思える。何が面白いのか見物して歩いてるおじさんの姿がそこらじゅうに見られる。もっとも自分も同じように、つまらない顔で徘徊してるおじさんに過ぎない。

関東の村に差し掛かると、子供たちが嬉々として麦わらの民芸品を青い目の外国人に装着してもらっていた。日本の伝統文化はこのように、ものずきな外国人らによって守られていくのだろうか。そういうものなのかもしれない。

さびしい気持ちになったので日本民家園を抜け出して、生田緑地をさらに奥へ進むと青少年科学館があった。しかしながら青少年だった時期はとっくに過ぎ去り、残念ながら科学っていう気分でもないので、素通りしてさらに生田緑地の奥へ急ぐ。

メタセコイアの林を通る。こういうところを歩くと、どうしても思い出さずにいられないのはフルタ製菓のセコイヤチョコだ。丸太を縦割りしたような形状でウエハースをクリームで包み、チョコで覆っている。植物はセコイア、チョコはセコイヤ。そうなのだから仕方ない。画家がルノワール、喫茶室がルノアールなのと同じ。

メタセコイアの林を抜けると、そこはもう岡本太郎美術館だった。川崎市立と表示されているから、ここはやはり神奈川県川崎市なのだ。これでいいのだ。ゲイジュツはバクハツだ。ムン!なんだかわからない。岡本太郎はテレビで奇人変人ぶってたが、『自分の中に毒を持て』などの著書を読むと、まともな思考力のある人だったことが露呈する。

せっかくだから美術館を見物して、することがなくなったので元きた道をまっしぐらに戻った。駅前の珈琲館に寄ってドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』第4部を読み、混んできたので店を出て小田急線の普通列車で新宿駅まで座って続きを読んだ。そんなことはどうでもいいか。

関連記事:   日本昭和村

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