散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

元競馬場

2017-10-21 | Weblog
たしか目黒駅の西口からバスに乗ると、3つ目の停留所が「元競馬場前」。バスを降りると東急ストアがあり、
向かって右へ歩いていくと油面の交差点に出る。道を渡ると交番があって、左わきから油面地蔵通りに入る。
府中の東京競馬場ができる昭和8年まで、26年間この近くにあった目黒競馬場のおかげで油面地蔵通りは
たいへんな賑わいだったという。


金柑画廊で聞いたはなし

毎月3日、13日、23日と「3」のつく日になると、模擬店が出てお祭のようだった。昭和30年代、40年代に推定
クワハラさんが撮った191本のネガフィルムの写真を、古書店で見つけて購入し、プリントして展示するという
「掬う 191本22年」展を見にでかけて聴いた話。


地蔵通りの子育地蔵尊

地蔵の左わきの細い道は、まだ競馬場があったころ花街だった。そう聞いて、その道を歩いてみようと思った。
昭和8年に競馬場がなくなって、84年もたっているから、花街はさびれて見る影もないだろう。


これがその昔、花街だった通り

競馬で勝っても負けてもお世話になった花街。ちょっと前まで、飾り窓の名残りかという建物があったそうだ。
いまや普通の住宅街。マンションの住人などは花街だったことすら知らない。


えささ? 猫の餌さ……餌でしょ

近所の住民が花街だった当時の写真を持っているらしく、プリントして画廊で展示したら面白いに違いない。
「3」のつく日の地蔵通りの賑わいや、昭和8年に閉鎖される前の競馬場の写真なども。


昔の花街を通り抜けて振り返る

まだ和装の遊女が格子から顔を見せて、競馬帰りの客を誘うともなく誘う。明治40年からの26年間を中心に
前後も多少は男が通ったであろう花街を見返り、目黒通りに出てバスをひろった。



関連記事:  府中競馬
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国立公文書館

2017-10-14 | Weblog
千代田区の北の丸公園にある国立公文書館にいってきた。公文書を一般公開しているところで、10月7日から
11月5日まで日本とデンマークの国交樹立150周年記念展を開催する(入場無料)にあたり、会期前の内覧会に
呼ばれたので、その日は仕事が休みだったけど上野からタクシーですべりこんだ。上野でも同じときに内覧会が
あって、休みだから会社には行かないけど忙しかった(笑)。


徳川慶喜の直筆の署名と印がある

国交を樹立した1967年の国王は、徳川の十五代将軍だったから、批准書にその署名と印があった。徳川慶喜は
源慶喜と署名している。印の「経文緯武」というのは、文武両道を兼ねた理想的な政治の姿の意味。


その年の調印書の両国全権の署名

デンマーク側が上のほうに横書きしたでござるから、日本側はどこに書けばよいでござるか3人で協議して、
すぐ下に縦書きで並べたのでござろう(推測)。国交を結ぶ文書など見慣れてないから物珍しいのだけれど、
どうやら書くほうの人たちも慣れてないようで、噛み合っているような噛み合っていないような感じが面白い。


これはまたびっしり文字で埋め尽くされている!

公文書じゃなくて私信。デンマークといえばアンデルセン(発音はアネルセンに近いらしい)。その書簡という
ことだけれど非常に細かい性格だったんでしょうね。何という恐ろしい男だ……。


マッチ売りの少女が小娘になってる

アンデルセンもびっくり。デンマークは寒いから小娘が凍えて死ぬかもしれないが、さて、日本ではどうかな?
貧しくてもマッチがあれば燃やす木ぐらいそこらじゅうにあるし……。


新幹線でひろしま美術館にやってまいりました。

ガロや朝日ジャーナルに前衛的なマンガを発表し、絵本はいい紙に印刷してもらえるからうらやましいと思って
1973年『やっぱりおおかみ』で絵本作家になった佐々木マキの企画展へ。男性でも女性でも通るペンネームを
あえてつけたというけれど、本人の映像はこんな感じ。


生きて動いてる姿を見るのは初めてだった……

こちらはプレス内覧会でも何でもなく、一般客として入場してるから展示物の写真は残念ながら撮影できない。
『ピクルス街異聞』と『やっぱりおおかみ』の原画を全点、見ることができた。


『やっぱりおおかみ』の、おおかみ

このためにわざわざ広島まで行こうか行くまいか迷わなかったわけではない。でも、行ってよかったと思った。
もちろん、ついでに神社をまわって絵馬を見たり、お好み焼きを食べたりはしている。


空がゴロゴロ鳴りだして1時間ほど豪雨が降った

仕方がないので美術館のカフェでコーヒーでも飲みながら、持ってきていた本を読んだ。最後まで読んだころ、
空を見たら明るくなっていたので、そのへん散歩しようと思った。


歩いてみたら原爆ドームがすぐ近くにあった

何度も見たことあるけれど、もしかしたら路面電車から眺めるだけで、真ん前に立つのは初めてかもしれない。
たくさん観光客がいるので、すぐおさらばした。


路面電車のある町はいいな
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

足柄・箱根

2017-10-01 | Weblog
プレミアムフライデー(笑)さすがに3時で帰るわけにもいかず、5時半ぐらいだったかな? がんばって
仕事に一応けりをつけて職場を脱出したのが9月29日。新幹線こだまで小田原にきたのは10月1日に
箱根ポーラ美術館で「100点の名画でめぐる100年の旅」(3月8日まで)のオープニングを見るため。


大雄山線って乗ったことない…

「フライ」デーなので串カツを食べ(なぜ小田原で?)ビールをあびて駅に戻ると、大雄山線が目に入る。
そういえば乗ったことないこの路線。どんなところへ行くか知りたい。看板を読むと、

天狗モニュメントの由来 大雄山 道了尊
大雄山線は、杉の巨木に囲まれた曹洞宗の名刹であります大雄山
最乗寺への参拝客の利便を目的とし、地元有志のご協力により、
大正14年(1925年)に開通しました。
 最乗寺の天狗像(鳥天狗)は、道了という怪力・霊験豊かな僧が
変じたお姿だと言われ、道了さん(道了尊)と呼ばれ、広く信仰の
対象となっております。
 なお、最乗寺へは終点大雄山駅よりバスにて約10分……



面白そうだから乗った!

沿線にいろいろ名所あるみたい。途中下車したくてしょうがないけど、もう夜だから終点まで行くことに。
それにしても、曹洞宗といえば禅だけど天狗はあまり禅ぽくない。どちらかといえば修験道ぽい。怖い。
外面如菩薩内面如夜叉じゃなくて外面曹洞宗内面修験道ならいかにせん。


夜が明けたら金太郎のふるさと

その晩は終点の大雄山駅に直結したホテルとざん大雄山に宿泊。ここは南足柄の山歩きの起点として
利用する客が多いらしくて、朝6時だか6時半だかにフロントに部屋の番号と名前入りのおにぎり弁当が
用意される。そんなに早く起きるはずもないが、8時には起きておにぎりを食べ、いざ鳥天狗の道了尊に
バスで向かおうと駅にいくと金太郎がいた。このへんでクマと相撲したのか。


いかにも天狗が出そう


やっぱり鳥天狗が出た


世界一の大下駄(目方1000貫)

ガンダムみたいだな。1000貫というのは3800キログラムぐらいらしい。鉄道も通すし鉄下駄も作る有志が
いる外面曹洞宗内面修験道の道了尊のすごさがわかったのでバスで大雄山駅に戻り、大雄山線に乗り
小田原に戻る。登山鉄道で箱根湯本に登り、そこから登山バスに乗る。9月30日、ポーラ美術館は休館
だから素通りして仙石高原へ。


どこまでもすすきを見る人の列


バスを降りて歩いてみたら金色に光りだした…


黄金風景じゃないけども

「その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」だっけ? 上下デニム着てたからナウシカごっこを
ひとしきり楽しんで、ふと我に帰ってバス停に戻る。乗り継いで小涌園まで行き、すぐ前の岡田美術館に
寄る。2013年にオープンした新しい美術館に、歌麿の肉筆の大作「吉原の花」と「深川の雪」が揃っている
(10月29日まで)というので入館したら、北斎の肉筆の春画も展示されていて目が吸われる。


建物の外から巨大な風神と雷神が眺められる

館内は撮影厳禁で、カメラやスマホは持ち込み禁止。撮っていいのは外だけで、風神雷神を眺める位置
に足湯がある。せっかくだから入っていく。


今日はこれぐらいにしておこう

岡田美術館は浮世絵もさることながら陶磁器のコレクションも見応えがあり、血糖値が下がってきたので
登山鉄道で箱根湯本まで下り、小田原に出て日本酒をあびる。大雄山線でホテルとざん大雄山に戻って、
もう1泊した。小田原は案外ホテルが少ないから覚えておくと便利。箱根の温泉は1人じゃ泊まりにくいし。


翌朝、星の王子さまミュージアムに寄って行く

作者のサン・テグジュペリが幼少期を過ごした館や、夏を過ごした舘、故郷リヨンの街などが再現されて
予想よりも見応えあり。朝10時のガイドツアーに参加したのは自分ひとり。ガイドさんとマンツーマンで、
約40分間ミュージアムをめぐる。サン・テグジュペリ(1900-1944)の生涯がよくわかった。


午後、ポーラ美術館へ。新設スペースがあった。

1860年代から、1960年代までの100年を100点の名画で、20のテーマでたどる展示をひとりで見て回り、
気分転換に森を散歩して戻り、また「100点の名画でめぐる100年の旅」を見て新設の現代美術コーナー
を見たら過去のヨーロッパの名作絵画を下敷きにして、橋爪彩さんが描く「After Image」シリーズが展示
されていた(1月8日まで)。写真のようにも見えるけど絵だ。その後、ガイドツアーでもうひと回り。


館長の木島俊介さんが新しい試みの意義を語る

たとえば右端の「Girls Start the Riot」は、このブログの最初に写真を掲げたセザンヌの静物画の中に
3人の少女が入り込んで勝手放題やっている。他の作品も名作を「アップデート」したもの。


「アップデート」というのは描いた橋爪さんの表現

「100点の名画でめぐる100年の旅」といっしょに見ると、いろいろなことを考えるきっかけになる展示だ。
今日は何だかとても楽しかった。帰りは6時に出発する渋谷行きの貸切バスに便乗した。


バスは小田原を通って高速へ

だんだん土地勘ついてきた。以前ボランティアのおじさんが話してくれた、小田原の海で定置網の漁を
できなくした高速道路、砂浜をなくした高速道路を石垣山の一夜城などから見渡して「邪魔だなあ」とか
思ったこともあるけれど、その高速道路を走るバスで東京に帰るサカタだよ(生きるとは矛盾すること)


海老名のサービスエリアでは…

揃いのTシャツ着てどこかをウォーキングするツアーから高速道路で帰る集団を見た。とやかく人のこと
いえないけど、都会に住んで産直のオーガニック野菜を週末に食べるようなもの。そんなこと考えてたら
渋谷に着いた。

関連記事:  小田原宿(定置網の話など)
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする