散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

怪鳥

2008-05-08 | Weblog
あの飛べない鳥、何という名前だっけ。
ダチョウより大きくて、未開の地で天敵もいなくて大地を走り回って生きていたのに、人間がやってきて食用にされてすぐ絶滅した鳥。
ドードー鳥? ホロホロ鳥? 何か違うような気がする。
このまえ小笠原にいったとき、鳥がひどく無警戒なのを見て、あの飛べない巨大な鳥のことを思い出した。
明治に入るまで人間がほとんど住んでいなくて、鳥にとって脅威になるような生き物が、猫にしろ何にしろ海を渡ってこなかった。
島ができてから陸とつながったことがないから、鳥にとって安全このうえない環境がずっと続いていたわけだ。
いまでも島への交通手段は船だけ。飛行機は飛んでいないから、東京から丸一日あまり、25時間半ほどかけて、週に一度ぐらいの便に揺られるしかない。
鳥だけでなく植物から何から、外敵にさらされずに進化してきた固有種がいろいろ現存していると聞いてはいたが、固有種かどうかは別にしても、小笠原を歩いていると鳥がすぐ目の前まできたり、休んでいる鳥に近寄って手を伸ばしても逃げなかったり、そういうことがよくあった。
まったくもって油断している。
蚊でさえ、何の気なしに手ではたくと、つぶれかけて地に落ちる。こちらも本気ではたいてないから、ぺたんこにつぶれて手につくこともなく、ぱらリと絶命して転がり落ちる体たらく。
のんびりしている。
こんなにのんびりしていては、あの未開の地で走り回っていた飛べない大きな鳥も、人間がやってきて食用にされたら、あっけなく全滅してしまうのも無理はない。
長年ふしぎに思っていたが、やっと納得できた。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする