散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

出雲崎

2012-09-28 | Weblog
信越本線に揺られていると、海や港にちなんだ名前の駅が続くわりに車窓から海が見えない。
直江津、犀潟、土井浜、潟町、上下浜、柿崎、笠島、鯨波、柏崎、荒浜……とかいうわりには
田んぼや林の景色が続く。海から離して線路を敷いたほうが安全なんだろう。それにしても、
浜崎っていう苗字はいかにも海辺らしい……(暇だから余計なことを考える)。


出雲崎の駅で下りてみた

良寛の生まれ故郷で、記念館があるっていうのを覚えてたので、寄っていこうと思ったんだけど
しまった……記念館まで3.4Kもある。生家は海辺らしいから、駅から離れていても当然だった!
残暑が厳しい折のことで、歩く気しないと思っていたらタクシーが1台きたから、迷わずに乗る。


なんにもない道をゆくと、良寛記念館があった


門をくぐると、良寛が過ごした五合庵の復元が


中をのぞくと、こんなふうになっている


振り返ると硅化木とやらが

「この硅化木は日本一、むしろ世界一という巨大なものである。樹種は亜熱帯に生育するランダイスギ
に近い珍しいものである。それが2千万年前に青森地方にまで生育していたということは日本の気候を
論ずる上にも極めて貴重な資料である」って看板に書いてある。


さらに奥へ進むと、やっと良寛記念館の建物だ

こちらは良寛の気分なので、硅化木がいくら貴重でもあまり感銘を受けない。すごいんだろうけどね。
しかし、良寛記念館そのものも……。


海がきれいなのが印象に残ったくらいで、館内はそれほどでもなかった

電車を下りて見にくる価値があるかどうかは人それぞれ。館を出て丘に上り、海を眺めてみる。


写真だとわかりにくいけど、佐渡島が見える。そして丘の上に、良寛いた!

出雲崎は天領(江戸幕府の直轄地)で、佐渡に流人を送って、佐渡で採れる金を運び出す港
として、ずいぶん栄えていたそうな。


歩いて浜まで降りてみる

3.4K歩いて駅まで戻りたくないから、浜に降りてバスかタクシーでも拾う魂胆。しかし、そんなもの
都合よく走ってこない。夏でよかった……冬だったら凍えていたはず。


おけさ源流の碑があった

なんでも奥州の音羽の前という武家の婦人が、源平の合戦で息子たちの戦死した屋島を訪ねよう
と旅する途中、ここで断念して尼になり、息子たちの立派な最期を詳しく聞いて、うれしさのあまり
袈裟のまま歌い踊ったのが「おけさ」の源流なんだって。


ジェロの「海雪」って出雲崎の歌だったの?

あきらめてレシートをとりだし、タクシー会社に電話をかけて「おけさ源流の碑」の前に1台呼ぶ。
15分ぐらいして、やってきたのは行きと同じタクシー。まさか、1台しかないとか? そんなことは
ないと思うけど……。駅前のスーパーでお昼を買って、電車を1時間ほど待ちましたとさ。
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姥捨

2012-09-22 | Weblog
ベッドで横になるよりも、電車に揺られている方が、眠くなるのはなぜだろう。窓に頭をもたれて
うとうとしていると、異様なGを感じた。景色の流れが逆……スイッチバック?


ここはどこ、わたしはだれ……「おばすて」!

「まんが日本昔ばなし」みたいな、「楢山節考」みたいな哀しい名前の駅で電車が向きを変えた。
いかにも「姨捨」しそうな眺望の場所。


ばっちゃん、わしら、こうするしかないんだよ

口減らしのために老いた母を背負って山に捨てにきた息子が逡巡するように、電車がジグザグに
進む。山道を上り下りするには、直進するよりも都合がいいんだろう。


わかっているよ太郎、ばっちゃんは平気だから

なにも「姨捨(おばすて)」なんて名前、わざわざ駅につけなくても……。ここで姨捨があったこと、
忘れないようにするためだろうか?


感慨深げに窓から姨捨の景色を眺めるおば……

むかしは山に姥捨てたけど、いまは老人ホーム(介護施設)に姨捨てる。いいんだよ、ばっちゃんは
平気だから。わかっているよ、太郎(……いまどき太郎ってこともないか)。


ジグザグに都合3度ばかり「姨捨」の前を通る

あとで知ったことだけど、あまりに眺めがよいものだから、特別列車を仕立てた「姨捨の夜景ツアー」
というブラックなサービスが行なわれているらしい。


昼間はいいとしても夜景はまずいんじゃない?
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下諏訪

2012-09-09 | Weblog
ぼくはいま諏訪大社の下社秋宮から、下社春宮めざして歩いています。話によると、ここの神様は
2月1日から7月31日までは春宮に、8月1日から1月31日までは秋宮に鎮座ましますそうです。
それで下諏訪の駅に近い秋宮に先にお参りして、境内の温泉旅館に宿をとり、ひまなもんだから
春宮まで歩こうというわけです。


ちょっといくと下諏訪宿の本陣がありました……

なんでも甲州街道と中山道が合流するのが、この下諏訪だそうですから、宿場はにぎわったことで
しょう。温泉もわくとなれば、なおさらです。たくさんの宿屋があるなかでも、参勤交代の大名行列で
殿様が泊まるのが本陣……というふうに考えておけば間違いないはず。


それでは本陣がどうなってるか、のぞきましょう

本陣という言葉は、もともとは戦場で陣を張るときに、大将がいる場所のことだろうと思いますが、
太平の世の大名行列は街道の宿場に本陣を張りながら移動したわけです。お金がかかりますね。


立派なお庭ですなあ~


こういうところに寝泊まりしてたのか……


近づいたらブザーが鳴ってビックリしました!

心臓バクバクさせながら本陣をあとにして、旧中山道を歩きます。なにやら表示の出ている脇道へ、
ちょっとそれると古墳があります。


青塚古墳というのだそうです


旧中山道に戻って坂を下ると、土蔵を増築したらしきアパートがありました


なかなか宿場町らしい雰囲気のある通りですね

下社春宮についてお参りしたら、境内にこんな「万治の石仏←230m」という案内札がありました。
どうせひまだから寄っていきます。


川を渡って右の方らしい


人が群がってグルグル回っている! いなくなるのを待って写真撮影……

岡本太郎が「なんだこれは!」と、いたく感銘を受けたことで有名になったらしいけど、ぜんぜん
知らなかった……。江戸時代(万治年間)の石仏。

さて、明日は上社前宮と上社本宮にいかなくちゃいけないから、宿に戻って風呂に入って寝なくちゃ。
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さぬき大使館

2012-09-06 | Weblog
東京にある讃岐会館は、表向きホテルということになっているけれど、実態は東京地獄に滞在するさぬき国民を保護し、
その安全を確保する「さぬき大使館」なのである。(上に掲げたのが証拠写真)


高層ビルの谷間に「蔵」が…

災害に弱い高層ビルに背を向けて、有事の備えを怠ることがない。この「さぬき大使館」に入って、うどんを食べるのが
ぼくの百八つの楽しみのひとつ。会社に行きたくないときとか、家に帰りたくないときとか、ふと気がつくとさぬき国民でも
ないのに保護されていたりする。政治的亡命のようなものといえば、わかりやすいだろうか。


あくまで表の看板は「讃岐会館」となっているが、亡命者のために(?)門戸が開放されている

宿泊料金を調べてみたら、麻布十番にほど近い一等地であるにもかかわらず、地方都市のビジネスホテルより安いかも
しれないぐらいのリーズナブルさ。さぬき国民でなくても泊まれそう……。


 これが、おうどんです

つめたいのも、あったかいのも、おいしい。ちゅるちゅると、おうどんたべて、しばらくロビーで本でも読んでいると
時のたつのを忘れそう。じつに素晴らしい、おさぼりスポットのひとつ。


夏はテラスがビアガーデンに
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フゴッペ洞窟

2012-09-01 | Weblog
小樽から余市まで乗合バスに揺られていると、「次はフゴッペ洞窟、フゴッペ洞窟」っていうアナウンスが
流れた。縄文時代の洞窟遺跡があるらしい。


バスは1時間に3本もある

途中下車しても、余裕で逃走経路(?)が確保できるから安心。そこでフゴッペ洞窟をのぞいてみることに。
あとで知ったことだけど、冬期(12月中旬から4月上旬まで)は休館みたいだから、いきあたりばったりでも
夏でよかったパターンのやつ……。


あの小山に洞窟があるのかな? ……どうもそうみたい


昭和25年に少年(大森誠之助)が見つけた土器片がきっかけで発見された

小山にへばりつくように博物館が建っている。洞窟を保護しつつ、ありのままを見せようという施設みたい。
入館料300円。岩壁に刻まれた絵(岩面刻画)があるということで、よくそんなの残ってたね。


1700年~1800年ぐらい前の刻画って、案外新しい

洞窟のあちこちに絵が刻まれていて、ボタンを押すとライトアップされる仕掛けになっている。暗かったら
全然わからないから、ずっと見つからないのも無理ないか。埋もれていたんだろうし。


外に出ると海が……なんか人の頭が見えるけど

海のそばの洞窟に絵が刻んであるのって、暮らしぶりを彷彿とさせる。帰りがけにふと見ると、洞窟の中は
本当は写真を撮っちゃダメみたいだったけど、フラッシュたいてないし、撮ってしまったものはしかたない。
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