散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

御金神社

2017-09-10 | Weblog
二条城の近くを歩いていたら、キンキラキンの鳥居に人が群がっているので、これは何ごとかと思って
寄り道してみた。


その名もズバリ……御金神社!

御金神社と書きまして、みかねじんじゃと読みます。その心は……金の亡者がいえなんでもありません。
昔は民家にあって密かに祭祀が執り行われていたけど、明治16年にいまの名を冠して社殿が建立された
というから、そういう時代だったんだろう。時代といえば、キンキラキンの鳥居ができたのは2006年らしい。
そういう時代なのかな。


おびただしい絵馬が掛けられてる

イチョウの形してるのは、イチョウが黄色くなると金色に輝いて見えるから。どの絵馬にもマネーがらみの
願いが書き込んである。


お金に困りませんように的なこと

持てる財産をすべて寄付すれば一生お金に困りませんよ、みたいに活動すれば、さぞかしお金が集まる
んじゃないかと思うけど、どうもそういうことでもないみたい。


社殿の脇にまで庶民の絵馬が

びっしり、びっしり。まるでハリウッドスキャンダル……関係ない歌の一節がなぜか脳内ループしはじめる。
そういえばさっきの絵馬掛けは丸くなってミラーボールのようだった。


金……


金、金、金、金……


金、金、金、金、金、金、金……

もう金はいいやと思って、西陣のあたりを歩いていると、こんどは金じゃなくて猫にちなんだ寺があった。
称念寺(猫寺)と看板が立ててある。


「3代目住職は猫好きであった」

寺が貧窮しているにもかかわらず、ある夜、愛猫が美しい姫に化身してのんきに舞を舞ったことに怒った
住職は猫を追い払った。ところが数日後、猫は住職の夢枕に立ち、松平家と復縁を取りつけたことを告げ、
住職に報恩したので寺は立派に再興した。


どういうエピソードなんだろう?

以後、寺では猫の例を厚く守護しており、本堂前の老松はその愛猫を偲び、伏した猫になぞらえて植えた
ものであるというから、さっそくその老松を見てみよう。


伏した猫になぞらえた老松…?
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明智光秀首塚から會津墓地

2017-09-05 | Weblog
京都駅から地下鉄烏丸線に乗って、烏丸御池で東西線にのりかえ、東山でおりて三条通を渡るとすぐに
明智光秀首塚がある。川沿いだから、わかりやすい。


光秀饅頭の店を曲がったところ

本能寺の変のあと(11日後)山崎で秀吉と対決して敗走し、近江の坂本城に向かう途中、山科の竹藪で
命を落とした光秀の首を、家臣が持ち運んで埋めたという。知恩院の近くまで来たが、夜が明けたから
埋めたと看板に書いてあるけれど、夜が明けたって知恩院まで運べばいいのに奇妙な話だ。


通りをはさんで秀吉の満足稲荷

三条通に戻って東山駅を通り過ぎると、やがて秀吉ゆかりの満足稲荷がある。そりゃ秀吉は満足かも
しれないが、光秀は不満だろう。


目と鼻の先にあるのが何とも…

そこから平安神宮の裏に回り込むと、浄土宗大本山・金戒光明寺にぶつかる。大本山っていうのは、
総本山とは違うんだろうな。どう違うんだろう? (何となくわかる気はする)


山門の右に大本山と書いてある

それはいいとして、山門の左に掲げてある看板を読むと、奥州會津藩松平肥後守様京都守護職本陣
旧跡と書いてある。新撰組を預かったというか、押しつけられた会津の殿様が身を寄せたのか。


確かにそう書いてある

どれどれ会津藩主の松平容保(だったかな?)が、どんなところに身を寄せたのか見物してみよう。
押しつけられた役割をまっとうしたせいで、会津は薩長に滅多打ちされたから。


会津藩士の墓地がある

そりゃ薩長は満足かもしれないが、会津は不満だろう。無念の藩士を弔う墓地がこの寺にあるなら、
ついでに立ち寄ってみよう。と思ったら……


秀忠の正室 江の供養塔

2011年に放送されたNHKの大河ドラマで上野樹里が演じた浅井三姉妹の末娘、江の供養塔が
途中にあった。京都にあって割合に徳川寄りの寺なのかな。


石段を上って見に行った

遺骨も遺髪も東京の芝増上寺にあるそうだから、ここには何もないのかもしれない。墓じゃなくて
供養塔だし。


引き返すとアフロ??

墓地にボリュームある髪型の石仏があった。どうなってるんだろうと思って、回り込んでみたら
こうなっていた。


上から見たらこうなっている……

さらにゆくと急な坂を上ることになって、もう疲れたから引き返そうかなと思わなくもなかったが、
一応もうちょっと進んでみる。


こういうのなければ引き返してた

道に迷ったら諦めていたと思うけど、迷いようがないくらい頻繁に「會津墓地参道」の道案内が
立ててあるので、ついつい辿りついてしまった。


市街を見下ろす高い場所だった

京都守護職に任じられた松平容保は、家臣を1000人ひきつれて自然の要塞である金戒光明寺に
駐屯した。文久2年から慶応3年まで6年間の戦死者、戦病死者273名がここに葬られ、さらに
鳥羽伏見の戦いで命を落とした115名の慰霊碑を建てて合祀した。


前者は墓があり、後者は慰霊碑

鳥羽伏見の戦いに始まる戊辰戦争では、官軍が賊軍の埋葬を許さなかったという話があるから、
後者の115名については墓じゃなくて慰霊碑なんだろう。


荒らすものがいるらしい

此ハ 會津人ノ聖地デス
礼節ヲ持ッテ墓参シテ
下サイ 西雲院 住職




気がついたらまた墓にきていた

関連記事:  雑司ヶ谷
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パンゴン湖

2017-09-02 | Weblog
ヒマラヤの向こう(インドから見て)にある標高5000mを超える山々を氷河が削り取って、ぽっかり
巨大な穴があいたとして、その穴の底に雪解け水が溜まったら湖ができる。水面標高4250mの、
パンゴン湖だ。



そこへ行くには当然、5000m以上ある山をいちど越えて下らなければ辿りつけない。冬の間は雪と
氷に閉ざされるから、夏にそこまで行こうとしても道が壊れていたりする。標高3500mのレーという
町からパンゴン湖まで、四輪駆動のクルマで片道6時間から8時間……往復に丸1日。



夜明け前に出発して山道を上っていく。ガードレールがなくて危ないのだが、高山病で頭がボーッと
してるので怖さをあまり感じない。うとうとしたら心配なんか消えてしまう。



定年退職して旅してるおじさんが、峠を越える前にスプレーで酸素を吸引している。あまり効かないね
と笑っているけど、本当は笑いごとじゃなさそう。



崖の下をのぞき込むと、クルマの通り道が九十九折になってるのがミニチュアのよう。あれなら道が
崩れたり流されたりしても、ぜんぜん不思議じゃない。



九十九折を軍のトラックが連なって、アリの行列みたいに何かを運んでる。小さいと見えにくいから
ズームしてるけど、これが実際はZの字になって山を上る。空気が薄いせいか、ゆっくりと。



軍のトラックだけじゃなくて、民間のクルマもこのように連なって峠をめざす。峠でみんな休憩する
せいか、手前でちょっと渋滞してる。



標高5360mの峠についた。すっかり気温が下がって冷え込んでる。レーの町から2000m近く
上ってるから、10度くらい下がってる計算。



ダウン着てる人いるもんなー。売店で熱いマサラチャイ飲んだら甘くておいしかった。印象深くて
覚えてる値段は30ルピー。だいたい50円~60円。



ここに書いてある通り、現在クルマで越えられる世界第2位の高さの峠。どうして軍のトラックが
連なって峠を越えているかというと、パンゴン湖はインドのものだったのに1962年に中国軍が
攻めてきて半分以上うばったから、それ以来こっちへ軍が振り向けられてるわけ。



3台ぐらい崖から転落したまま放置されてる。落っこちるのは軍だけじゃなくて、民間のクルマも
けっこう落ちてる。くれぐれもああはなりたくない。



冬になったら氷河が押し流して来年はどこにあるかわからないか、少なくとも場所が変わったり
するんだろうなー。



観光客が来るのは勝手だけど軍の人たちは命令だから大変だ。トラックの荷台で運ばれてるのは
軍人さんだったりするし。



こんな高地にも犬がいる。



峠を下っていくと、だいたい砂漠なんだけど、雪解け水が流れるところだけ緑があって家畜がいる。
牛とか、たぶんヤクとか。



馬なんか日本で見ると大型動物だけど広いところで見たら小さくてかわいい。



だいぶ穴の底に近づいてきた。氷河に削り取られた丸い地形。上の方は乾燥して木も生えないのに、
下の方は雪解け水で緑が少し。



その恵みで暮らす人もいる。電気もないし水道もガスもないけど氷河の恵みはある。幸せなんだろう
けれども、代々この地で生活してるから可能なわけで、よそ者が適応するのは大変そう。



宇宙のオアシスという感じがしてくるのは高山病で頭がボーッとしてるせいかもしれない。



車窓から見ていて不思議なのは、クルマは坂道を下ってるのに水の流れが逆方向へ、まるで
上ってるように見えること。



たぶん錯覚で、どちらも下ってるけど傾斜が違うせいでクルマだけ下って水が上ってるように
感じられるにちがいない。



モルモットが穴から出て日向ぼっこしてた。



さらに穴の底のほうへ下がり……



狭いところを通って……(この道なんか氷河の運ぶ岩が転がり込むと通れなくなりそう)



じゃんじゃん雪解け水が道に注ぐところを通っていくと……



7時間以上かかってパンゴン湖が見えてきた。水面標高4250m、インドと中国の境界の青い湖。





魚も貝もいないのにカモメが飛んでくる。カモメは何を食べているのか、さっぱりわからない。
水をなめてみると塩っぱい、けど海ほどじゃない。



水に入ってみたら冷たかった。



水辺で瞑想してる人たち。



水辺で瞑想してる様子をSNS用に撮影する人たち。



瞑想しないでアツアツの様子をSNS用に撮ってるカップル。



男の仲良しグループ。5人に1人はフレディ・マーキュリーに似てる。



インド映画『3idiots』(邦題:きっと、うまくいく)のロケ地なので、映画をみて訪ねてくる国内外の
観光客が多い。20年前は立入禁止だったけど、映画公開(2009年)の前後から、少しずつ人が
くるようになってきた。砂漠の湖なので風が吹くと砂ぼこりがすごい。



夏季のみ、海の家みたいな湖の家が出てる。映画にあやかった看板ばかり。ランチョは主人公。



崖から落ちないで湖にたどり着いたラッキーな人たち。バイクでツーリングする人も多く、中には
海の家の掘っ立て小屋に宿泊する強者も。



Night Stay Rooms……こういうところに泊まるのか。大変だけどいま来た道を今日中に帰ろう!
また7時間以上かかるんだろうなー、崖から落ちませんように。



穴の底から峠を越えてレーの町まで下りる頃には日が暮れてしまいました。

関連記事:  ゴンパ
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