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歩くことが唯一の趣味ですから。

加曽利貝塚

2021-04-03 | Weblog
「野菜いっぱい」すぎた。縄文遺跡のまわりでは昼ごはん食べる場所ないだろうと思い、
千葉駅で乗り換えついでにラーメン食べた。これまでも遺跡の周辺でお腹を空かせた経験
あるので、これも自助といえば自助のうちだ。



モノレールにも乗れーる! というダジャレを思い出しつつ、千葉都市モノレール桜木駅
まで宙吊りになって移動する。加曽利貝塚はそこから徒歩15分ということなので1㎞弱か。
だいたい年配の人の足に合わせて時間表示してあるから。



桜木駅に地図が掲示されていたので、スマホで写真を撮って道案内の代わりにする。これ
も加曽利貝塚が2017年に、貝塚として初めて国の特別史跡に指定されたおかげなのだろう。
セブンイレブンの手前で右折するというのは、実際にはセブンイレブンの裏手に入り込む
というかたちだった。



このへん一帯が縄文時代の貝塚だ。巨大なので塚というより平べったい土地に見えるけど、
それでも周辺に比べると高台になっている。東京湾の奥にあたる千葉市のあたりには直径
100mを超える大型の貝塚が集中しており、その中でも最も大きい貝塚として知られている
のが加曽利貝塚だ。このことはいろいろな本に出てくるので、今日は見物にきた。



直径140mで環状の北貝塚と、直径約190mで馬蹄形の南貝塚が一部重なり、上空から見る
と8字形をしている。上空から見たことはないけど、地図を見ると確かにそうなっている。
北貝塚も南貝塚も貝層の断面を見ることができるように観覧施設が設けてあった。



このように直線で貝層を掘り下げて断面を展示してある。ところで貝塚などの縄文遺跡は、
なぜか日本海側よりも太平洋側に多い。特に東京湾のまわりに集中しているのは、縄文人
が東京湾を好んだという説明がなされているけれど、そのことよりも大きいのは明治以降、
東京湾の周辺の開発が全国で最も進んだせいで遺跡の発見が多いんだろう。



あとは高速道路を通すとき、山梨や長野でたくさん見つかっている。これから日本の人口
が減少していくと、宅地や工場や道路の造成が減り、遺跡が発見される機会も減るだろう。
加曽利遺跡も明治から知られていたが、保存運動と発掘は高度経済成長期に大きく進んだ。
ご多聞に漏れず学校の先生が中心になった。



1966年に開館した博物館を見ていく。貝塚があるぐらいだから貝ばかり食べていたのかと
いうとそうではないらしく、博物館には加曽利の縄文人の食べもの一覧が掲示されている。
カモ、タカ、カラス、ハクチョウ、ツル、ハト、ウ、スズメ、キジ、コウノトリ、ガンと
いった鳥の骨も貝塚に捨てられているそうだ。



イヌやヒトの骨も見つかっている。貝塚に埋葬されたと説明してあるけど、捨てられたの
ではないだろうか。イノシシ、シカ、タヌキ、アナグマ、ウサギ……鍋にしたらおいしい。
土器で煮て食べたらごちそうだ。もちろん魚や貝の種類は豊富。



土器に刻まれた文様は、これヘビかな。植物では、ヤマイモ、ユリ根、ドングリ、クリ、
クルミ、トチ、ワラビなんかを東京湾の周辺の人は食べていたという。ラーメンなんかを
食べるより、いいなあと思って帰ってきた。


関連記事:   尖石縄文考古館
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