日本人の自殺者は一日約100人にのぼっていることは特に新しいニュースではない。
日本人の自殺方法で最も人気のあるのは、首吊りらしい。
我々が自殺現場に関わることも少なくない。
これは、ある首吊り現場での出来事である。発見が早かったらしく、部屋の汚染は軽度で、特殊清掃作業自体はライトなものだった。
ただ、遺族から受けた相談には困った。
「故人が自殺に使ったロープはどうすればいいか?」とそのロープを差し出されたのだ。
遺族は、故人が自殺したことにビビッて、ロープの取り扱いにも異常に神経質に慎重になっていたのだ。
ああでもない、こうでもない、と遺族同士が議論する中で、私が責任を負わされると困るので、「お身内の方々が決められるのが本筋では?」とうまく回避した。
結局、「本人が最後に使った物だから本人の責任ということで柩に入れよう」と言う意外な意見にまとまった。不謹慎ながら苦笑いするしかなかった。
死人に追い討ちをかけるような結論で、こんな冷たい親族じゃ自殺もしたくなる?
トラックバック 2006/05/22 投稿分より