長い夜を。
樹に寄せる恋。
葉の落ち尽くした、清潔な隠れのない樹々への恋歌。
その季節も、まもなく終わります。
言痛し……こちたし、は万葉語。
秋の田の穂向きのよれる片よりに君に寄りなな言痛かりとも
但馬皇女の歌
雨をふくんで、風音が重い。
くぐもった、擦り硝子のような風の音。
湿って、どこかなまぬるい、ものうい半音の風に。
かすかに、早春の花の気配が聞こえる。
物思いがあるとき……晴れていれば星空を探す。
春めいて、今夜うっすらと星は淡い。
藍の夜空には、冬のオリオンがまだ残っています。
わたしはちいさい。
宇宙は高くて、大きい。
めぐりの中で、ゆるやかに流れてゆく。
渋谷「マリアの心臓」で、少年愛の美学展始まる。
椿さんの作品と合わせて、わたしの絵も出させていただいた。
さっき、数日ぶりにミクシイのコミュに入ったら、イベント掲示板に稲垣足穂さんの引用。
それを目にして、なつかしくって、ふと口ずさむ。
彼もほんとに奇矯な人生だったなあ……。
椿さんもきっとうれしいでしょう。