プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★最後の繰り言(2/2)

2011-08-29 08:59:34 | 日記・エッセイ・コラム

 8月27日深夜、金沢近郊の大崎海岸で、若い夫婦(23歳で中学校の同級生)が砂で作った落とし穴にはまり、窒息死する事故が起きた。誕生日を迎える夫を驚かせようと、妻が数人の友人と作った落とし穴に、夫婦で落ちたのだから、何とも痛ましい。

 落とし穴は、約2.4m四方、深さが2.5mもあったそうだから、落ちれば無事の筈が無い大きさだ。しかも、昼間、落とし穴を作って帰宅し、深夜に妻が夫を海岸へ呼びだし、友人達は離れた場所で待機していたという。その間に、他の人がはまっていた可能性もあり、いたずらの幼稚さと罪の重さにあきれるばかりだ。

 さて、この愚かな贈り物で思い起こすのが、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」。貧しい夫婦が、相手にクリスマス・プレゼントを贈る為に、それぞれ自分が大切にしていたものを捨てる皮肉を描いているが、互いに相手を思いやる温かい愛情から生じたすれ違いが、心を打つ名作だ。

 今回の事故は、いたずら心から、大切な命を代償にしてしまった。妻は、自業自得とも言えるが、巻き添えになった夫が気の毒でならない。「賢者の贈り物」に対し、不謹慎だが、「愚者の贈り物」と言わざるを得ない。