テージョ川の河口に広がる「七つの丘の都」と言われるリスボンは、4つのエリアに分かれている。人気スポットのクチコミランキングでは、1位が「ベレンの塔」(左)、2位は「ジェロニモス修道院」(右)。ともに世界遺産に登録されていて、「ベレン地区」にある。
「ベレンの塔」は、16世紀にマニエル一世がヴァスコ・ダ・ガマの世界一周の偉業を称えて建設したもの。テージョ川への船の出入りを監視する要塞だが、司馬遼太郎は、「祈りの場」と表したそうで、氏の優れた感性が伝わってくるエピソードだ。
「ジェロニモス修道院」には、ヴァスコ・ダ・ガマの石棺が残されており、この国における彼の功績を物語る。 同じベレン地区にある「発見のモニュメント」は、 エンリケ航海王子の500回忌を記念して造られたもので、いずれも大航海時代の繁栄を偲ばせる。
「ベレン地区」以外は、足に自信があるなら徒歩で回るのがお勧めだ。急な坂と複雑で狭い路地を歩いていると、この町に住む人たちの息遣いと匂いが伝わってくる。