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時悠人chosan流処世術

★日銀総裁の倫理責任

2006-06-15 09:18:15 | 日記・エッセイ・コラム

 福井日銀総裁が、村上ファンドに1000万円出資していることへの責任問題が取り沙汰されている。日本郵政株式会社の社長や社会保険庁長官と並び、小泉首相が民間から起用した人物が次々にトラブルを起こしているのは偶然なのだろうか。

 投資した時期とか、儲けた金額が問題ではない。ことの本質と立場を見誤っているとしか思えず、不用意の一言で済ませる問題でもない。日本の金融政策に与える日銀総裁の発言は重い。また、総裁の名前を利用する金の亡者をも含めると、その影響力は計り知れない。その当の本人が、故意でなくとも不正取引の噂が絶えなかった村上ファンドに、日銀総裁就任後も出資し続けてきた責任は軽くはない。しかも、解約申し出の時期が量的緩和解除の直前となると、別の憶測も飛ぶ。

 政治家でなくても、透明性が求められる公的立場に就いた場合、資産公開を義務付けるか、ブラインド・トラストを導入するなどして、国民の信頼を裏切らない方策を講じて欲しいものだ。個人的には、バランス感覚のとれた人だと好感を持っていただけに、現在の日本全体を覆っているケジメの無さを垣間見る気がして残念だ。