2021年度「ミツテリが読みたい」第1位。「このミス」「週刊文春」第2位という作品。イギリス人の作家でこの作品がデビュー作という。これはまた大したものです。主人公のビップ。彼女はリトル・キルトン・グラマースクールの最上級生。日本流で言えば高校3年生って所で、ケンブリッジ大で英文学を勉強することを目指している。イギリスの大学受験というのが分かって(といっても日本と違うということがよく分かるということだが)面白い。ナイジェリア人の義父と父親違いの弟、そして母との三人暮らし。グラマースクールの課題に自由研究というのがあるようで、その課題に選んだのが近所で5年前に起こった殺人事件。女子高生が行方不明になる。その恋人だった高校生が殺人犯ではと疑われた末に自殺し、死体無き殺人事件となる。チャーミングな女子高生が被害者となり、インド系の加害者、そしてその家族は大変なことに。ビップには加害者とされたサル・シンが罪を犯したとは思えない。ビップは調査を始める。自由研究として。そんな感じで始まる調査は、過去のネットを調べたり、サルの弟にインタビューしたり、なかなか大変で手がこんでいる。流石にケンブリッジを目指すだけの頭脳のある子のようで。学校生活、イギリスのティーンエージャーの生活なども見えてきて面白い。そして本の作りも含めて実に面白く、高評価もなるほど。☆☆☆☆☆。続編もあるようですので、楽しみに。
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