再読シリーズ。特捜部Qのカール・マーク警部補シリーズ第三弾。北欧ミステリの頂点「ガラスの鍵」賞受賞作。帯には「著書の最高傑作!」という惹句も。確かに面白い。それでも第三作で続編もあるのに「最高傑作」というのはいけない。でも面白い、確かに。主人公のカールは有能でひねくれていて。謎の助手アサドは不思議な行動もあれば、思わぬ鋭さとパワーの炸裂も。新キャラのローセとユアサ、今回もそれぞれのことを少しづつ明らかにしつつ、さらに謎を深めながら、ミステリは進む。ボトルメッセージ。海を越えて流れ着く間にかなりが解読不能に、そこから捜査が始まる。もう一方で、キリスト教の中の大きな闇。新興宗教というべきか、分派キリスト教狂信派とでも言うのか、いびつな宗教世界に闇が広がる。視点を変えながら、複雑な物語は展開し、カールらは実に人間的であり、読ませる、読ませるという感じ。☆☆☆☆☆。シリーズの面白さはこういうものという作品。
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