再読シリーズ。戦後日本の移民政策。南米各国へ、多くの日本人が移民した。彼等を待ち受けていたのは、地獄。移民ではなく、棄民政策。これを垣根は見事に描く。これを行った日本政府、外務省を叩く。衛藤を通して描かれる移民一世の世界に驚く。その一方で、人間の愛にも驚きも。ケイ、松尾という二世たち。それぞれが自身の、そして一家の歴史を引きずりながら、生きている。圧倒的な出来事を、見事に表に出して見せ、それでいて読ませる小説にした垣根という人は大したものである。貴子もいい。人物が皆生きている。☆☆☆☆☆。読むべし。歴史を知ることは大事なことだ。
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