再読シリーズ。「消防士」の第一弾。主人公は大山雄大。母一人、子一人。消防士だった父は非番の日にアル中の男を助けようとして死んだ。小さな頃に兄のように慕っていた仁藤も消防士。レスキューサイボーグと異名をとったこの男は救助の最中の事故の影響で現場を離れたが、今でも現場復帰を目指す。幼馴染の祐二は工務店で働く。もう一人の友人守は、ずっと年上のひきこもり。赤羽台の出張所には藤田のオヤジ、姑のようにうるさい富岡、暴走族上がりの生田のアニキ、自衛隊出身の星野といった面々がチームを組む。火事に出動、水をかけたら燃え上がるという不思議な火事。不法滞在外国人の摘発の現場、入国管理官、警察入り乱れ、事件が展開する。この小説は警官モノと同様に、消防士の世界をしっかりと描いている。これは日明の特徴。楽をするために消防士になった雄大の目から実にリアルに描いていく。警官モノよりも、救いがあるような、登場人物の類型化の度合いがほどよい感じで読み進む。続編が出ているが、早く文庫にならないかな。☆☆☆☆。
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