2009年の『このミス』で国内のトップをとった刑事・加賀恭一郎を主人公とする『新参者』。今回の『卒業』は加賀の初登場作品である。刊行は1986年というから四半世紀も前ということか。舞台は東京に2時間ほどの町。国立大学に通う加賀、沙都子、波香、祥子、若生、華江、藤堂。彼らは高校時代からの友人。それに高校時代の茶道部の顧問で今もつながる南沢先生。波香と祥子が暮らすアパートで祥子が死体となって発見された。そこから謎解きが始まる。茶の湯の雪月花の式が次の舞台となる。剣道で学生チャンピオンを目指す加賀。警察官の父との二人暮らし。彼が謎解きをつとめる。全体にやはり四半世紀前の世界であって、少々くたびれる。それでも、「加賀の第一作を読んだ」という意味はありそうかと。☆☆☆。
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