知人に教えられて初めて読んだ。舞台は芸術院会員を狙う日本画家の選挙戦。二人の日本画家、一人は鹿児島の田舎から叩き上げで日本画の世界に。人格はどうしようもないがその上昇意欲と絵の腕が独特の鋭さを見せる。もう一方は絵の家に生まれ、順調に進んで来て、その穏やかな画風までもが人そのものの画家。これに中堅であがく男、それにつく女流画家、孫娘の画家などが登場。芸術院の補欠選挙の実弾が飛び交う世界、日本画によるマネーロンダリング、政界工作など盛り沢山。そこに選挙参謀となる京都の老画商がまた味がある。どろどろ、清涼感の無さも、本当だろうなと思わせるウラの世界で読ませる、読ませる。☆☆☆☆ほ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます