ギリシャ神話あれこれ:アルゴーの冒険(続々々々々々々々々々々)

 
 こういうわけで、イアソンが凱旋したとき、彼の両親はすでに亡かった。帰還したイアソンは、事情を聞いて激怒する。 
 
 イアソンは持ち帰った金羊の毛皮をペリアス王に渡したが、王のほうは約束を忘れたふりをして、いつまで経っても王位を譲ろうとはしない。
 そこでイアソンは、メデイアとともに復讐を計画する。と言っても、主導権を握ったのはやはりメデイアのほうだった。場数踏んでるし。
 
 二人はイオルコスを出て、しばらく王の監視を逃れていたが、やがて、メデイア一人がイオルコスへと戻ってきた。王宮に赴き、イアソンとは喧嘩別れした、と言い訳し、王の3人の娘たちに魔法を披露する。
 年老いた、今にも死にそうなヨボヨボの牡羊の喉を切り開き、血管に霊薬を入れる。そしてその牡羊を、薬を溶かした湯を入れた釜のなかに放り込む。蓋をして、グツグツと煮立てる。
 さて、蓋を取ると、なんと、生まれたばかりのちっちゃな仔羊が、ミェー、と飛び出してきた。

 王の娘たちはすっかり感心して、さっそくこれを、老い込んだ父王に試して、若返らせて欲しい、とせがむ。

 メデイアは気前よく、娘たちに方法を伝授して、決め手となる霊薬を手渡す。が、この霊薬は、一番大事な薬草を一つだけ抜いて調合してあった。

 To be continued...

 画像は、ド・トゥール「娘たちに殺されるペリアス」。
  ジョルジュ・モロー・ド・トゥール(Georges Moreau de Tours, 1848-1901, French)

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