ギリシャ神話あれこれ:アルゴーの冒険

 
 ギリシャ神話の英雄譚のなかでも、アルゴー船のそれは、イアソン初め50人もの英雄たちが登場する航海の冒険話。にも関わらず、私にはイアソンは軟弱男、他の英雄たちもただの漕ぎ手にしか見えなかった。
 それは、魔女メデイアが強烈なインパクトを持っていたからだと思う。このメデイア、現代にも通ずる複雑な性格。こういうのが登場すると、物語は俄然、緊張する。

 物語はというと……

 その昔、ポセイドンの寵愛を受けたテュロは双子を産み、山中に捨てた。その後双子は、馬飼いに拾われて育てられる。このとき馬の蹄が顔に当たり、赤痣(ペリオン)ができてしまった子のほうは、ペリアスと名づけられた。
 後に双子は、母テュロを虐待していた、彼女の継母シデロに復讐するのだが、その際シデロがヘラの神殿に逃げ込んだところを追いかけて、祭壇上で切り殺した。

 さて、このペリアスは、義兄であるテッサリア、イオルコスの王アイソンから、上手いこと王位を奪ってしまったた。王は老齢なので、その子イアソンが成人するまで、自分が代わって王になってやる、というわけ。
 が、イアソンの母はペリアスを信用せず、イアソンを馬人の賢者ケイロンに託す。

 やがてイアソンは、優れた諸技を身に付けた若者へと成長する。ケイロンはイアソンに、神託を受けて行く末を定めるよう勧める。
 すると神託は、イオルコスに戻り、父の王位をペリアスから譲り受けよ、と告げる。

 そこで、イアソンはイオルコスに向かう。途中、大雨のせいで水嵩の増した川へと差しかかると、一人の老婆が、川を渡れずに困っている様子……

 To be continued...

 画像は、ベックマン「アルゴナウテス」。
  マックス・ベックマン(Max Beckmann, 1884-1950, German)

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