ギリシャ神話あれこれ:レダと白鳥

 
 もともとは、世界の美術館紀行を綴ろうと思って始めたブログ。が、なかなか世界旅行には行けなくて、日々の鑑賞レビューとか、昔のこととかを書いていた。
 特に昔のことについては、いろいろ自分のなかで整理する意味もあって、結構書いた。書こうとするとすらすら思い出すし、書いたら客観化できるしで、ブログって便利な存在。気の向いたときに書き溜めていた。同じ理由で、昔、子供の頃に読んで、学生の頃に手当たり次第に読み直した、ギリシャ神話のことも、まとめておいた。
 
 で、最近気づいてみたら、ドラフトが軽く100以上溜まっていた。どうしてくれよう、このドラフト。

 絶世の美女として知られるスパルタの王妃レダ。この美貌は当然、ゼウス神の眼にとまる。
 ゼウスは美しい白鳥に化けて、鷹に追われ、泉で水浴しているレダの懐へと逃れる。レダは白鳥を抱いているうちに、優しく愛撫され、夢見心地に白鳥と交わった。
 
 その夜、レダは夫であるスパルタ王テュンダレオスとも交わって、やがて二つの卵を産む。その一つから、カストルとポリュデウケス(ポリュクス、ポルックス)の兄弟、もう一つから、クリュタイムネストラ(長い名前!)とヘレネの姉妹が産まれる。

 カストルとポリュデウケスの双子は、ディオスクロイ(ゼウスの息子たち)とも呼ばれ、常に共に行動し、数々の冒険を成し遂げる。
 ヘレネは、トロイア戦争の原因となった、母をもはるかに凌ぐ絶世の美女。クリュタイムネストラは、トロイア戦争におけるギリシア軍の総大将アガメムノンの妻となり、後に情夫と共謀して夫を暗殺する悪女とされる。

 この二組の双子のうち、ポリュデウケスとヘレネは、ゼウスの子で、神の血を引く。つまり不死。他方、カストルとクリュタイムネストラは、夫テュンダレオスの子で、人間の血を引き、死の運命にあったという。

 白鳥座は、ゼウスが姿を変えた白鳥。

 画像は、ティリエ「レダと白鳥」。
  ポール=プロスペル・ティリエ(Paul-Prosper Tillier, 1834-1915, French)

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