ギリシャ神話あれこれ:アルゴーの冒険(続々々々々々々)

 
 王の難題をクリアしたイアソン。が、王のほうは歯軋りして悔しがり、こうなったら夜陰に乗じて船を襲い、火を放って船ごと皆殺しにしてしまおう、ともくろむ。……セコい王さま。
 
 王が素直に金羊裘を渡すはずがない、と知っているメデイアは、国を捨ててイアソンとともに逃げようと決意。薬草の小箱を携え、弟アプシュルトスを連れて、王宮を抜け出し、アルゴー船へと走る。そして、王の来ないうちに毛皮を手に入れよう、とイアソンを促す。
 ただ、敵であるあなたに協力する以上、私はもうこの国に残ることはできない。私を一緒に連れて行き、決して見捨てないと誓って欲しい。
 ……こう頼むメデイアに、イアソンも、無事故郷に帰り王位を取り戻したなら、必ずあなたを妃にしよう、とヘカテ神に賭けて誓約する(ヒュプシプレにも同じこと言ってたんだけど?)。

 で、メデイアはイアソン一行を金羊の毛皮の在処へと案内する。毛皮はアレスの森の奥深く、老槲の枝にかけられ、竜が眠ることなく番をしていた。
 が、メデイアは魔法の薬を振りかけて呪文と唱え、竜を眠らせてしまう。すかさずイアソンたちは毛皮を奪取し、船へと戻ると同時に出航する。

 こうしてコルキスを逃げ出したアルゴー船の一行。が、メデイアの所業はたちまち露見し、怒り狂った王はただちに大軍を率いてアルゴー船を追跡する。

 To be continued...

 画像は、トロワ「メデイアに永遠の愛を誓うイアソン」。
  ジャン=フランソワ・ド・トロワ(Jean-Francois de Troy, 1679-1752, French)

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