ギリシャ神話あれこれ:アルゴーの冒険(続々々々々)

 
 一行はピネウスに教えられたとおり、岩に向かって白い鳩を放す。岩は白鳩めがけて、轟音を立てて打ち合う。
 が、鳩は岩のあいだを通り抜けた。それ! との合図で、一同は力一杯に船を漕ぐ。引き下がりかけた二つの大岩は、アルゴー船めがけて慌てて再び閉じようとしたが、間一髪、船は岩のあいだを無事通過する。

 今まで一度も船を通さなかったシュンプレガデスは、以来、(ショックで?)二度と動けなくなってしまったのだとか。

 その頃オリュンポスでは、ヘラとアテナがアフロディテに助けを求めていた。コルキスの王アイエテスの娘であるメデイアが、その魔術でイアソンに力添えするように、彼女の心にイアソンへの恋を植えつけてくれ、と。
 憐れ、メデイア。
 
 アルゴー船はコルキスへの途中、プリクソスの子らと遭遇する(アルゴー船を建造した船大工アルゴスも、プリクソスの子)。彼らの案内で、船はようやく黒海の果て、コルキスへと到着。
 で、イアソンはプリクソスの子らを連れて、王宮へと赴く。そこには王アイエテスと王妃エイデュイア、そして幼い王子アプシュルトスがいた。
 そこへプリクソスの妻、王女カルキオペがやって来て、子供たちとの再会に喜んだ。
 
 続いて、王女メデイアもやって来る。彼女はヘカテ神の女司祭なのだが、その日に限って、ふとした気紛れで、姉カルキオペに同行したのだった。
 このとき、アフロディテが遣わしたエロスが彼女に向かって恋の矢を放つ。で、イアソンを一目見て、メデイアは彼の虜となってしまう。

 To be continued...

 画像は、ウォーターハウス「イアソンとメデイア」。
  ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
   (John William Waterhouse, 1849-1917, British)


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