ギリシャ神話あれこれ:アルゴーの冒険(続々)

 
 船を進めて、まず到着したのは、岩に囲まれたレムノス島。この島には男が一人もいない、女だけの島。
 というのは、以前、女たちがアフロディテ神への祭儀を怠ったところ、アフロディテが激怒して、彼女らが臭気を発するよう呪いをかけた。で、夫たちは臭がって、トラキアの女奴隷たちと寝るようになってしまった。女たちは怒って、一夜のうちに夫たちを皆殺しにしてしまった、というわけ。凄。

 この女だけの島に一行が上陸すると、女王ヒュプシピュレ以下、女たちは彼らを歓待。一行も大喜びで、互いに相手を見つけて懇ろの仲に。イアソンもちゃっかり、女王ヒュプシピュレとのあいだに子供を二人作っている。
 月日が経つのも夢のうち、来る日も来る日も、甘い愛欲の日々。

 が、ついにヘラクレスが大喝する。こんなことでいいのか!

 はたと我に返る一同。互いに別れを惜しみ合いつつ、出発となる。イアソンはヒュプシピュレに、無事故郷に帰り王位を取り戻した暁には、必ず妃として呼び寄せよう、と約束する。

 次にアルゴー船は、ドリオニアに到着。一行はキュジコス王によって歓待され、親しく飲み明かす。が、翌朝出航した船は、深夜、嵐に襲われて、ドリオニアへと逆戻りしてしまう。
 ドリオニアは敵が襲撃してきたと勘違いして、アルゴー船を攻撃、アルゴーも反撃して、とうとう王を殺してしまう。
 嵐が去って、誤解と分かって悲嘆する一同。王の死を嘆いて、土地の女神キュペレが嵐を起こし、船はさらに足止めを食らう。キュペレに供犠して怒りを静め、ようやく一行は出航できた。

 To be continued...

 画像は、ウォーターハウス「ヒュラスとニンフたち」。
  ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
   (John William Waterhouse, 1849-1917, British)


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